研究課題/領域番号 |
19K18170
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
正木 直樹 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (00837403)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 総肺静脈灌流異常症 / 肺静脈狭窄症 / 薬剤徐放フィルム / ラパマイシン / 総肺静脈還流異常症 / 肺静脈狭窄 / 徐放 / 内膜新生 / 一方向性徐放 / 薬剤徐放性フィルム |
研究開始時の研究の概要 |
総肺静脈還流異常症(TAPVC)の術後遠隔期成績に影響を及ぼす最大の因子として吻合部に生じる術後肺静脈狭窄症(PVO)があげられるが、その発症メカニズム・予防法は確立されていない。我々は臨床に即したPVOモデルを確立し、PVO発症に血管平滑筋細胞の形質変化・増生が関与していることを示して、ラパマイシン徐放フィルムを適用することで一時的に肺静脈狭窄を予防し、進行を遅らせることを示した。しかし現段階では完全な予防には至っていない。本研究ではより効果的なPVO予防法確立を最終目的の一つとして、一方向にのみ徐放するラパマイシンフィルムを開発し、肺静脈狭窄症予防への有効性を検討する。
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研究成果の概要 |
薬剤徐放効率を改善させるべく一方向にのみ徐放するラパマイシンフィルムを開発し、有効性を検討していた。一方向性の徐放に関しては柔軟性を確保した薬剤を含むdrug layerと吸収速度を調整するbarrier layerから成る2層構造フィルム を想定し各layerの基材としてポリカプロラクトン単剤、ポリ-L-乳酸単剤、配合比率の異なるPLGAで検証した。ブタの肺静脈モデルを使用する以前に、侵襲の少ないブタ頸静脈を露出しフィルムを貼付する実験を計画した。一方向性に薬剤が継続的に徐放されることを検討したが基材の剛性が強く、血管周囲のみに貼付した状態の維持に難渋し安定した結果を出すのが困難であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々はブタ肺静脈狭窄モデルを確立しそのメカニズム解明と薬剤徐放フィルムによる予防効果を示してきたが完全な予防には至っていない。本研究では効果的な予防法確立を目的として、薬剤徐放効率を改善させるべく一方向に徐放するラパマイシンフィルムを開発し、肺静脈狭窄症予防への有効性を検討している。 一方向性のラパマイシンフィルムの試作品を開発し、生体での実験を開始した。侵襲の大きいブタ肺静脈狭窄モデルに用いるところまでは叶わなかったが、新たにブタの頸静脈モデルを使用することで細径の血管吻合モデルの作成に繋がる形になった。今後は眼科領域で使用されている経強膜ドラッグデリバリーシステムの応用を検討していく。
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