研究課題/領域番号 |
19K18183
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
渡邊 卓次 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (80838582)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | iPS細胞 / 心筋シート / 右心不全 / iPS細胞由来心筋細胞シート / 右室拡張障害 / 血管新生 / 右室線維化 / 右室圧負荷モデル / 右室機能障害 / 右心不全モデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、右心不全に対するヒトiPS細胞由来心筋細胞シート移植による心筋再生治療の有効性を検討することを目的とする。 ラットの肺動脈を絞扼することで右心室に圧負荷をかけ、これにより右心不全モデルを作成する。この右心不全モデルの右心室表面にiPS細胞由来心筋細胞シートを移植し、右心機能の改善効果を証明する。右室機能の改善を示すことができれば、小児重症心不全ならびに成人先天性心疾患合併心不全に対する新たな治療法として応用されることが期待される。
|
研究成果の概要 |
本研究では右心不全モデルラットを用いてヒトiPS細胞由来心筋細胞 (hiPS-CM)シートの右心不全に対する有効性を検討した。hiPS-CMシート移植によって心臓カテーテル検査で右室拡張能の増悪が抑制された。病理組織学的検査も施行したが、hiPS-CMシート移植を行うことで右室心筋内の微小血管密度が上昇し、右室心筋線維化が抑制された。 本研究で得られた結果から、hiPS-CMシート移植は微小血管新生を増強することで右室心筋線維化を抑制し、右室拡張障害を抑制あるいは改善させることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
内科的ならびに外科的治療では改善が見込めないような右心不全に対する治療方法としては補助人工心臓の装着あるいは心臓移植しか選択肢がなかったが、この2つの治療方法は合併症としての脳血管障害やデバイス感染を起こす可能性があること、特に本邦ではドナー提供が限られていること、といったそれぞれの欠点があった。しかし、こうした治療に先行して本研究で検討したhiPS-CMシート移植を行うことで右心機能の増悪を抑制もしくは改善し、補助人工心臓装着までの期間、さらには心臓移植までの期間が延長できる可能性さらにはこれらの治療を回避できる可能性がある。
|