研究課題/領域番号 |
19K18225
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 (2022-2023) 近畿大学 (2020-2021) 日本医科大学 (2019) |
研究代表者 |
竹ヶ原 京志郎 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (90809534)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | Klotho / EMT / lipocalin-2 / 肺癌 / 上皮間葉転換 / アンチエイジング遺伝子 / 個別化医療 / Klotho遺伝子 / 個別化治療 / サロゲートマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
肺癌の術後成績の向上のためには、症例ごとに有効な化学療法のregimenの確立、個別化治療の実践が喫緊の課題である。我々はアンチエイジング遺伝子Klotho発現に着目し、ある種の肺癌における予後因子であり、肺癌の転移・浸潤能を調節していることを明らかにしてきた。また、肺癌細胞株にKlotho-plasmidを遺伝子導入し、Klotho蛋白を過剰発現させた肺癌細胞株を樹立することにも成功した。本研究では、これらの成果を発展させ、Klotho遺伝子発現の術後化学療法への応用の可能性を臨床検体、動物実験で解明する。本研究は肺癌治療を行なう上で、新たな肺癌化学療法の確立に大きく貢献すると考えられる。
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研究成果の概要 |
本研究では、「アンチエイジング遺伝子」Klotho発現と癌細胞の上皮間葉転換(EMT)の関連について検討した。細胞実験でKlotho過剰発現細胞に対する薬剤感受性について、Pemetrexedが親株に比して優位に感受性をみとめた。また、N-cadherinはPemetrexedにより誘導される が、Klotho過剰発現細胞ではN-cadherinの発現が完全に抑制されており、Pemetrexed曝露によりKlotho蛋白発現が上昇するといった相乗効果もみとめた。mRNA解析ではKlotho過剰発現細胞株でlipocalin-2の発現が亢進し、肺癌におけるEMTを制御している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はKlotho遺伝子が肺腺癌におけるEMTの抑制因子であることを発見した最初の研究である。肺腺癌細胞株へのKlotho遺伝子の導入によってN-cadherinの発現が完全に抑制された。これは、Klotho遺伝子が癌細胞の浸潤・進行に重要な役割を果たしていると考えられているカドヘリンスイッチを抑制していることを示している。また、薬剤感受性試験からKlotho遺伝子がペメトレキセドの感受性因子であることも明らかになった。このことは、将来的に肺癌治療においてKlotho遺伝子の発現の有無により、選択的にペメトレキセドを使用するといった個別化医療を可能にしうるものである。
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