研究課題/領域番号 |
19K18228
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
楠本 英則 近畿大学, 奈良病院, 講師 (60714904)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 術後肺瘻 / 肺切除術後肺瘻 / 胸水 / 胸腔内ガス |
研究開始時の研究の概要 |
肺切除手術の術後管理や気胸の治療の際の胸腔ドレーン管理においては、肺瘻(持続性気 漏)の程度を正確に評価することが要求される。本研究の目的は、この肺瘻を非侵襲的、定量的に評価する方法を開発することにある。肺切除術後に胸腔ドレーン管理を行っている 患者に対して、胸腔ドレーンから胸腔内空気を採取し、酸素および二酸化炭素濃度を測定する。室内気での胸腔内ガス濃度と、患者に経鼻酸素を投与した際の胸腔内ガス濃度の差を計算し、肺瘻の定量化を行う。この測定値と従来から行われている気泡目視法の結果とを比較し、肺瘻消失・ドレーン抜去の判断の指標、および肺瘻遷延の予後因子における本法の有用性を検証する。
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研究成果の概要 |
蛍光法では酸素吸入時と酸素非吸入時の胸腔内酸素濃度の差がなくなった状態と肉眼的な肺瘻消失と一致しており、胸腔ドレーンが抜去できる状態であることが確認できた。より簡便な方法とし胸水中酸素濃度を測定し、肉眼的な肺瘻消失と比較した。連日、胸水中酸素濃度を測定し94±22Torrとなった時点で肺瘻消失が確認されており、胸腔ドレーンを抜去できていた。様々な制限があるものの、この値が胸腔ドレーンを抜去できる目安になると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺瘻の有無は胸腔ドレーンからの気泡の消失をもって停止と判断されるが、これには豊富な経験が必要である。そこで、簡便かつ客観的な指標として胸腔内の酸素濃度の推移を計測した。本研究では、酸素吸入時と停止後の胸腔内酸素濃度の差がなくなった時点が肺瘻停止であることを確認し、さらに胸水を用いた研究では酸素濃度が100Torr前後まで低下した時点で胸腔ドレーンを抜去できており再挿入症例はなかった。このことから、胸水中に含まれる酸素濃度が肺瘻停止を判断する客観的な指標になりうると考えられた。
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