研究課題/領域番号 |
19K18256
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
角 千里 関西医科大学, 医学部, 研究医員 (00580466)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | プロポフォール / プロポフォール注入症候群 / ミトコンドリア / ROS / 低酸素誘導性因子1 / 代謝 / 電子伝達系 / HIF-1 / 代謝リプログラミング |
研究開始時の研究の概要 |
プロポフォール注入症候群(propofol infusion syndrome, PRIS)の病態の分子機序の解明は麻酔科学の大きな課題の一つである。我々はプロポフォールが濃度・時間依存的に,細胞の代謝リプログラミングを起こすこと,活性酸素種 (ROS)をミトコンドリア依存的に発生させること、転写因子HIF-1の人為的な活性化がプロポフォールによる細胞障害を軽減することなどのこれまでの研究成果をもとにをプロポフォールの標的蛋白質の同定を目指す。このような研究を通じてPRIS予防・治療法の開発への端緒をつかむ事を目的とする。
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研究成果の概要 |
ミトコンドリア電子伝達系の各複合体活性に依存した酸素消費量へのプロポフォールの影響を詳しく検討した。プロポフォールは細胞内の酸素消費を抑制し、細胞外の乳酸を増加させることが、また複合体I, II, IIIに依存した酸素消費を抑制するが複合体IV依存の酸素消費には影響を与えない事を確認した。 プロポフォールの標的となる蛋白質の同定には至らなかったがミトコンドリア電子伝達系は細胞障害おいてプロポフォールの標的となる事を示す実験的なエビデンスは得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プロポフォール注入症候群(PRIS)の病態の分子機序の解明は麻酔科学の大きな課題の一つである。病態生理学から推察されるように細胞の代謝異常や細胞死が発症の細胞学的基盤にあると考えられるが、いまだに病態の分子機構の詳細や発症予測因子・治療法の同定には至っていない。疫学的に頻度は低いものの患者予後に甚大な悪影響を及ぼすPRISの病態生理の解明は麻酔・集中治療学の研究分野が克服すべき課題の一つであり研究の波及効果は大きいし社会的な意義も同時にある。
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