研究課題/領域番号 |
19K18258
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 泉 旭川医科大学, 大学病院, 医員 (70624196)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | HIV関連神経障害性疼痛 / 漢方薬 / GAD67 / HIV関連神経障害 |
研究開始時の研究の概要 |
HIV関連神経障害モデルラットを用いて神経障害性疼痛の機序を探り、漢方治療および遺伝子治療という独自の観点から有効な治療法を検討することである。本研究では、HIV関連神経障害モデルラットに漢方薬を投与し、動物行動学試験にて効果を確認する。また、脊髄後角の検体を用いて分子生物学的に鎮痛機序を解明する。さらに遺伝子治療を併用することで相乗効果をもたらすという仮説について明らかにする。
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研究成果の概要 |
HIV関連神経障害性疼痛に対する漢方薬の有効性を確かめるため、坐骨神経をHIV-1エンベロープ蛋白であるgp120に暴露させて作成したHIV関連神経障害性疼痛モデルラットに手術当日より牛車腎気丸を含む食餌、もしくは通常の食餌を与え、behavior testで疼痛閾値の評価を行ったところ、牛車腎気丸投与群で疼痛閾値が有意に改善した。 また、手術後14日目にモデルラットの脊髄を摘出し、 脊髄後角におけるグルタミン酸デカルボキシラーゼ67(GAD67)の発現量をWestern blottingを用いて調べたところ、牛車腎気丸投与群でのGAD67の発現量は、コントロール群よりも有意に高かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、動物行動学試験により牛車腎気丸がHIV関連神経障害に有効である可能性が示唆された。また、Western blottingの結果より、牛車腎気丸を投与することで、gp120によりダウンレギュレートされた脊髄後角におけるGAD67の発現が回復することが、HIV誘発性アロディニアを緩和することに関与していることが示唆された。このことは、HIV関連神経障害性疼痛のみならず様々な神経障害性疼痛の機序を解明する糸口となり、有効な治療法の開発につながる可能性がある。
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