研究課題/領域番号 |
19K18269
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
川島 信吾 浜松医科大学, 医学部, 助教 (10467251)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 脊椎灌流 / 臓器保護 / 出血性ショック / 近赤外分光法 / 脊髄灌流 / 脊髄虚血 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はNIRSを術中、術後の脊髄虚血のモニターとして利用する可能性を探るため、実際に脊髄虚血時にはNIRS、MEP、レーザードップラー血流計(LDF)がどのように変化するか、様々な文節での虚血に対してどのレベルでのNIRSがどう変化するかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
胸腹部大動脈瘤術後の対麻痺の発生率は今だに3-16%と高頻度である。対麻痺が発生した場合にはADLの著しい低下だけでなく生命予後が悪化する。近年運動誘発電位(MEP)を脊髄虚血のモニターとしながら手術するのが主流であるが、MEPは偽陽性も多く、全身麻酔下しか使用できない。さらに術中のMEPでは近年増加傾向にある遅発性対麻痺の早期発見や予測ができない。近赤外分光法(Near-infrared spectroscopy:以下NIRS)は非侵襲的に組織酸素化が測定できるため、脳梗塞予防のモニターとして脳の酸素化を心臓手術を中心に使用するのが一般的になっている。NIRSを術中、術後の脊髄虚血のモニターとして利用する可能性を探るため、実際に脊髄虚血時にはNIRS、MEP、レーザードップラー血流計(LDF)がどのように変化するか、様々な文節での虚血に対してどのレベルでのNIRSがどう変化するかを明らかにする。体重25-30 kgのブタを用いる(約20匹予定)。イソフルランの吸入により麻酔導入し、挿管、人工呼吸下にイソフルランを呼気終末濃度2%(ブタ1MAC)で維持する。右大腿動脈に血管確保し大動脈バルーン閉塞用カテーテルを挿入、左前後の足に動脈圧ライン、右内頚静脈に肺動脈カテーテルおよび中心静脈カテーテルを留置する。ブタを腹臥位にして、第4-6胸椎と第1-3腰椎の棘突起および椎弓を削り(椎間で黄色靭帯が露出する深さまで)プローベが装着可能な水平面を作成後、NIRSプローベを装着する。同レベルの傍脊椎の筋肉組織(主に椎脊柱起立筋)、開胸した時の椎体側部の筋肉組織(脊柱起立筋、大腰筋、腰方形筋など)にもNIRSプローベを装着する。脊髄虚血モニターのコントロールとしてMEP電極を頭部に、露出した椎間とNIRSを装着した傍脊椎部と椎体側面よりLDFを挿入する
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ感染症により、養豚場が閉鎖してしまったため、新たな実験が困難になった。 新しい養豚場と契約し、搬入してもらうことが可能となったので実験は再開できるようになった。LDFか故障したことにより流量計での計測は困難となっている。
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今後の研究の推進方策 |
脊椎の流量は図れないが、MEPと組織酸素飽和度との関係で流量を代用して、麻酔薬との関係を調べることとする。MEP自体の測定が豚でもできることは過去に報告しているので、これは実行可能と考えている。
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