研究課題/領域番号 |
19K18299
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
中原 真由美 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (90707514)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 蘇生後脳症 / 炎症 / 神経活動イメージング / 麻酔 |
研究開始時の研究の概要 |
心停止後に自己心拍が再開しても心停止後症候群により、予後は依然厳しい。特に蘇生後は生存者の10%に脳後遺症を認め、脳指向型集中治療が必要となる。α2作動薬のデクスメデトミジンは、ベンゾジアゾピン系鎮静薬と異なり、呼吸抑制作用が軽微であり、神経保護作用や炎症反応抑制効果も報告されており、蘇生後脳症の患者の予後を改善する可能性がある。本研究では、マウス虚血モデルを用いて1)大脳インビボイメージング法を用いて脳虚血再灌流後の脳活動をリアルタイムに解析し、2)蘇生後の認知機能への鎮静薬の影響を調べることにより、デクスメデトミジンの脳保護作用について機序も含めた検討を行う。
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研究成果の概要 |
心肺停止により低酸素状態に陥ると、自己心拍再開後に生じる臓器障害により、予後は依然厳しい。心肺停止モデルマウスを用いて鎮静薬の蘇生後脳症への影響を検討することを目的とした。まず、評価方法を検討するために術後痛モデルマウスを使用し、恐怖記憶想起試験を行った。麻酔+手術群では、術後1週間後にコントロール群と比較してすくみ行動が低下し、記憶想起が障害される傾向を認めた。また、免疫染色による検討では、麻酔+手術群において扁桃体にて神経活動マーカーとして汎用されるArc陽性細胞の増加を認め、神経の過活動を生じていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心停止後に自己心拍が再開しても(1)脳損傷、(2)心筋障害、(3)全身性虚血再灌流障害、(4)残存する心停止の原病で構成される心停止後症候群により予後は依然厳しい。術後痛モデルマウスを用いた検討では、手術によって記憶の固定や想起が障害され、扁桃体の神経活動が活性化された。蘇生後脳症においても手術と同様に全身性の炎症反応が引き起こされると報告されており、その機序に扁桃体が関わっている可能性がある。
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