研究課題/領域番号 |
19K18322
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松原 庸博 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (70747154)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | コリン作動性抗炎症経路 / 敗血症 / 全身炎症反応 |
研究開始時の研究の概要 |
重度侵襲病態では、過剰炎症・免疫異常により生体の恒常性が破綻する。病態進展の初期段階でいかに全身炎症を制御するか、その機序の解明が求められる。自立神経系が免疫炎症反応を制御するメカニズム:コリン作動性抗炎症経路の機序について、重度侵襲病態を呈した患者におけるデータはほとんどない。 本研究目的は以下の二点である。 ① 重度侵襲患者においてコリン作動性抗炎症経路の賦活化の程度を評価する系の確立 ② コリン作動性抗炎症経路が実際の患者においてどう作用しているかの機序の解明 これらにより、実臨床患者におけるコリン作動性抗炎症経路の破綻の実態を解明する。
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研究成果の概要 |
敗血症などの重度侵襲病態では過剰炎症、免疫異常により生命機能の恒常性が破綻する。今回、コリン作動性抗炎症経路に注目し、敗血症病態でのコリン作動性抗炎症経路の重要タンパクであるα7Ach受容体の評価を行った。①敗血症患者のヒトPBMCを用いてqPCRを行い、敗血症患者のα7Ach受容体を測定した。②ヒト単球を用いた実験を行い、デクスメデトミジンがコリン作動性抗炎症経路を介して抗炎症作用が持つことを示した。 今後の重度侵襲病態におけるコリン作動性抗炎症経路、α7Ach受容体の病態解明の一助となる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
敗血症は感染に対する宿主の反応の異常により引き起こされる生命を脅かす臓器障害と定義され、高い死亡率を有する疾患である。今までに敗血症による全身の炎症を抑制するための治療法が研究されてきたが、生存率を高める治療的介入は未だ存在せず、新たな治療戦略の創出が求められている。コリン作動性抗炎症経路は神経免疫系を介して抗炎症作用を持つ系であり、注目されている。本研究では、敗血症患者において、コリン作動性抗炎症経路の重要タンパクであるα7Ach受容体の評価を行い、デクスメデトミジンがコリン作動性抗炎症経路を介して抗炎症作用を持つことを示した。これらの成果は敗血症における新規治療戦略創出の可能性につながる。
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