研究課題/領域番号 |
19K18352
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
趙 晃済 京都大学, 医学研究科, 講師 (00706707)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 敗血症 / 肥満症 / 脂肪細胞 / 肥満 / 脂肪毒性 / lipotoxicity / sepsis / obesity / MRTF-A / preventive medicine |
研究開始時の研究の概要 |
敗血症による多臓器不全は依然死亡率が高く、アンメット・メディカル・ニーズが極めて高い疾患である。肥満症は脂肪組織の慢性炎症によるlipotoxicity(脂肪毒性)がその本態とされるなど、慢性期病態における脂肪組織の意義は知見が集積しつつあるが、急性期病態でのlipotoxicityの実態は殆ど明らかになっていない。本研究は、肥満患者では敗血症死亡率が高いことや、敗血症の病態と脂肪組織の炎症が誘導する病態が類似することから着想を得、lipotoxicityが敗血症でも重要な役割を演じている可能性が高いと考え敗血症病態の形成における脂肪組織の意義の解明を目的とする。
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研究成果の概要 |
初年度は各種モデルマウスの作成と表現型解析を施行し、死亡率や炎症関連遺伝子発現を検討した。その結果、普通食下においてはノックアウト群と対照群において脂肪率や炎症性変化に大きな差が見られなかった。これらの知見を国際学会にて学会発表を行った。 翌2020年度以降は新型コロナウイルス感染症の影響で研究活動に制限が発生した。同様の検討を高脂肪食負荷下でノックアウト群と対照群を高脂肪食負荷においてまた脂肪細胞を用いて関係する脂肪代謝経路について検討した。その結果、死亡率においては有意な差は見いだせない結果となった。今後は二次的なエンドポイントとして臓器障害にフォーカスして考察する必要があると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
敗血症による多臓器不全は、救急・集中治療領域における主要な死因の一つでアンメット・メディカル・ニーズが極めて高い疾患であり、この病態解明や治療法の開発は極めて社会的要請が高いとされている。そのような中で肥満患者における敗血症の死亡率は標準体型症例に比べて高いことが報告されており、また最近の研究成果から脂肪組織は単なるエネルギー貯蔵組織のみならず、アディポサイトカインと総称される生理活性物質を産生・分泌し、多彩な生命現象に関与することが明らかになってきた。 本研究はこのような背景に着想を得て敗血症の病態解明を試みるものであり、学術的意義が期待できるものである。
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