研究課題/領域番号 |
19K18403
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
嵯峨 伊佐子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 研究員 (50445219)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | T細胞受容体 / グリオーマ / 脳腫瘍 / 免疫療法 / レパトア解析 / 腫瘍免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
集学的治療法をもってしても未だ決定的な治療法のない膠芽腫において、免疫療法は最も期待される治療法のひとつである。特殊な免疫機構を有する中枢神経系において、免疫療法の治療効果判定および予後予測因子としてのバイオマーカーの開発、免疫併用療法の重要性がより注目されている。本研究では、次世代T細胞受容体レパトア解析によって、膠芽腫の抗腫瘍免疫におけるT細胞の特徴・種類を解明し、新たな治療標的の探索、さらに、新規免疫療法の開発を行う。
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研究成果の概要 |
我々は、免疫応答を励起する免疫療法として、がんペプチドワクチンの臨床研究を行った。膠芽腫腫瘍検体を対象とした次世代T細胞受容体(T Cell Receptor : TCR)レパトア解析によって、腫瘍細胞表面に発現する抗原を解析し、膠芽腫腫瘍検体でTCRの多様性が低下していることを発見した。さらに、膠芽腫浸潤T細胞のサブセット解析を加え、臨床背景との相関を評価したところ、臨床経過の良好な症例にDiversity Indexが低い傾向が示唆されること示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膠芽腫は、外科的療法、放射線療法、化学療法、分子標的療法などの集学的治療をもってしても、平均生存期間は15ヵ月に満たない、非常に予後の悪い腫瘍である。免疫治療は、膠芽腫治療において期待される治療法であり、そこで得られた新たな知見は社会的にも大きなインパクトを持つ。膠芽腫検体でのTCR多様性の低下は、これまでになされた複数のがん種での報告と一致する。これは、特殊な免疫環境における脳腫瘍でも、免疫療法が有効たり得る可能性を示している。本研究で解明した膠芽腫の免疫機構の一端は、免疫治療の新たな治療ターゲットおよびバイオマーカーの開発へと繋がる成果である。
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