研究課題/領域番号 |
19K18410
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
鈴木 迪諒 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳・神経科学研究分野, 研究員 (50826526)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 意欲 / モチベーション / 運動 / 側坐核 / 運動野 / 運動制御 / 脳深部刺激 / 腹側中脳 / 筋 / 鬱 / Neuromodulation / 強化学習 / 随意運動 / 精神機能 |
研究開始時の研究の概要 |
うつ病などの心の病は意欲と活動性の低下、脳脊髄損傷後の運動機能回復も阻害することが指摘されている。そのため、意欲の生成に関与する脳領域の活性化が精神機能の改善や活動性・運動機能を向上させるためには重要であると考える。本研究では意欲中枢側坐核の活性化が精神機能と運動機能を同時に向上させるという仮説のもと、モデル動物を用いて側坐核脳深部刺激法を確立し、その効果を行動学と神経生理学の観点から検証する。
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研究成果の概要 |
モデル動物を用いて、側坐核への閉回路脳深部刺激法を確立した。この閉回路側坐核刺激によって、動物は刺激と連合した運動に対する意欲と運動パフォーマンスを向上させた。しかし、側坐核刺激に依存した運動野神経活動の上昇は認めなかった。よって、側坐核刺激時にサルが発揮する力が大きくなるという現象は側坐核刺激による運動野の直接的な活動上昇ではなく、意欲の向上による二次的アウトカムであることが示唆された。また、側坐核への主な投射源である中脳ドーパミン領域を電気刺激すると運動野と筋の活動を誘発できることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって得られた成果は、側坐核の活性化が刺激と連合した行動への意欲の向上と運動パフォーマンス向上をもたらすというものである。運動麻痺を主症状とする脳脊髄損傷患者の多くがうつ病を併発することが多く、機能回復の阻害因子となっている。側坐核の活性化はこういった患者の治療戦略を検討する上で重要な手法になることが期待される。また、側坐核と同様に意欲生成に関わるとされる腹側中脳の活性化が運動野と筋の活動を誘発したことから、強い動機づけが運動パフォーマンスを高めると言われる経験値を説明できる神経基盤なのではないかと考えられる。
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