研究課題/領域番号 |
19K18441
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
市村 佐衣子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (30464952)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 神経膠腫 / 1p/19q / 化学療法 / 抵抗性 / neoadjuvant chemotherapy / 組織 / グリオーマ幹細胞 / M2 マクロファージ / CD133 / nestin / 術前化学療法 / 幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは、いままで神経膠腫の分子生物学的分類と個別化治療に関連して多数の研究報告を行ってきた。特に、神経膠腫に対する術前化学療法戦略は、世界に先駆けて提唱、実践してきており、その戦略による腫瘍縮小後の摘出件数は世界有数である。本研究では、アルキル化剤治療後残存腫瘍の特性を解明することによる、神経膠腫の再発メカニズム・治療標的の解明を目的とする。我々ならではの化学療法による腫瘍縮小後の切除標本を用いて、①化学療法前後での組織学的変化、グリオーマ幹細胞への治療効果等を観察、また②化学療法による腫瘍ゲノムへの影響(変異誘発の有無等)と化学療法抵抗性クローンの特性を解明する。
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研究成果の概要 |
我々は、アルキル化剤に対する反応性が比較的高いとされる1p/19q共欠失を持つ神経膠腫に対しては、初回術後に化学療法を行い、残存腫瘍が縮小したところで積極的に再摘出を行ってきた。初回手術標本と化学療法後切除標本がペアで解析可能な15例において、化学療法による組織所見、増殖能、グリオーマ幹細胞、マクロファージの数や割合の変化を検討した。結果、化学療法後では、増殖能は低下、グリオーマ幹細胞の腫瘍内割合は増加、泡沫数は増加などの変化が確認され、また予後との関連も検討された。これらの知見は、神経膠腫の化学療法抵抗性及びその後の再発メカニズムの解明、さらには、効果的な治療法開発に有用と考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
WHO grade 2, 3神経膠腫は、IDH変異と1p/19q共欠失の有無により3群に分類される。その中で、1p/19q共欠失を持つ神経膠腫は、比較的化学療法反応性が高いことが知られているが、必ず再発し、未だに多くの患者は原病死を免れない。今回の知見は、神経膠腫の化学療法抵抗性及びその後の再発メカニズムの解明、さらには、効果的な治療法開発に有用と考えられた。
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