研究課題/領域番号 |
19K18480
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
高藤 義正 近畿大学, 医学部, 講師 (90734864)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | エクソソーム / miRNA / 筋 / 骨粗鬆症 / 筋・骨連関 / 破骨細胞 / メカニカルストレス / 筋・骨・血管連関 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、筋・骨・血管連関において、骨格筋より産生されるエクソソームに着目し、生理的あるいは病態における役割を解明することを目的とする。具体的には、メカニカルストレスを加えることで筋や骨量が増える状態や、サルコペニア・骨粗鬆症を惹起する病態における筋細胞由来エクソソーム (Myo-exo)を回収し、骨や血管におよぼす影響をin vitro、in vivoで詳細に解析する。さらに、網羅的解析を用いてMyo-exoに内包されるmiRNAの中から重要な因子を同定し、その因子の作用機序や病態における役割の解明を目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究では、骨格筋が分泌するエクソソーム(Myo-exo)に着目し、筋・骨・血管連関における役割を検討した。Myo-exoは骨吸収を担う破骨細胞の形成を抑制するなど、骨に対する作用を示した。一方、血管の石灰化に対しては有効性を示さなかった。 骨格筋は生体内で様々な力学的負荷を受け、骨格筋の性質にも影響をおよぼす。そこで力学的負荷を与えた筋細胞からMyo-exoを単離したところ、破骨細胞の形成抑制作用が増強された。また、Myo-exoに内包されるmiRNAを網羅的に解析し、見出された複数のmiRNAの作用を検討した結果、miR196がMyo-exoの破骨細胞抑制作用に重要である可能性が示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エクソソームは生体内のあらゆる細胞が分泌し、その中にはmiRNAなどの核酸が内包されている。エクソソームは遠隔的に他の組織や細胞に生理作用を示し、血液や尿中のエクソソームは病気を診断するバイオマーカーとしても注目されている。 本研究では、筋由来エクソソーム(Myo-exo)が、骨吸収を担う破骨細胞の形成を抑制することを明らかにした。また、その機序としてMyo-exoに内包される重要なmiRNAを見出した。骨組織は骨形成と骨吸収のバランスによって維持され、骨吸収が過剰になると骨粗鬆症を引き起こす。本研究で得られた知見は、骨粗鬆症の診断や、核酸医薬品の開発に発展することが期待できる。
|