研究課題/領域番号 |
19K18488
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 森ノ宮医療大学 (2021) 東京医科歯科大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
堤 真大 森ノ宮医療大学, インクルーシブ医科学研究所, 助教 (10821853)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 関節包 / 腸骨大腿靭帯 / 小殿筋 / 腸腰筋 / 輪帯 / 股関節鏡手術 / 股関節包 / 疎性結合組織 / 大腿直筋 / 股関節前面痛 / 下前腸骨棘 / 解剖学 |
研究開始時の研究の概要 |
股関節鏡手術は、低侵襲であることから早期社会復帰を可能とする革新的な手術療法である。しかし、その術式に対応した股関節疾患の診断・治療の革新が求められており、股関節の安定化機構と脆弱性を解剖学的観点からも再考することが必須といえる。関節の安定化機構としては、従来、靭帯構造が想定されきたが、本来構造的に靭帯と関節包は分けて考えることができない。すなわち、関節包自体の構造理解は、関節の安定化機構と脆弱性を理解するために必須といえる。本研究目的は、「関節包」の寛骨臼への付着様式、その実質部の厚み分布と周囲筋との関係性を解剖学的、組織学的、さらにマイクロCTも用いて多面的に精査することである。
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研究成果の概要 |
股関節鏡手術は、低侵襲であることから早期社会復帰を可能とする革新的な手術療法である。よって、術式に対応した股関節疾患の診断・治療の革新が求められており、股関節の安定化機構を解剖学的観点からも再考することが必須である。関節の安定化機構としては、従来「靭帯」構造が想定され、「関節包」は一様な薄いシート状構造と考えられてきた。しかし、我々の研究により「関節包」は①骨付着部に幅がある、②関節周囲の腱・腱膜と連続し厚みが一様でない、③肢位によって線維束様となる、という解剖学的特徴をもつことがわかってきた。以上の点から、関節の安定化機構としての「関節包」の重要性を再考していく必要があると考えている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
①関節包は下前腸骨棘下方に幅広く付着し、その付着構造は機械的ストレスに順応し、腸骨大腿靭帯の近位付着部そのものであると考えられた。股関節鏡手術の関節包付着部を剥離する過程で、その外科的剥離が下前腸骨棘下方に及ぶと術後の関節不安定性の一因になりうることがわかった。②小殿筋腱・腸腰筋深層腱膜との結合により厚みを成した関節包そのものが、腸骨大腿靭帯実質部であると考えられた。腸骨大腿靭帯が、筋張力による影響を受け、関節運動に合わせながら“動的”に関節を支持しうることを明らかにした。③股関節伸展に伴う関節包の内腔への突出がいわゆる輪帯であり、関節包は肢位によって安定性への寄与が変化することがわかった。
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