研究課題/領域番号 |
19K18489
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
鈴木 志郎 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (50834701)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | TFCC / distal ulna / 三角線維軟骨複合体 / 橈尺靱帯 / 解剖学 / 三角繊維軟骨複合体 / 肉眼解剖 / 骨形態解析 / 組織学的解析 |
研究開始時の研究の概要 |
手関節尺側部の疼痛は手外科領域において頻繁に遭遇する症状であるが、診断、治療を含め未だコンセンサスを得られていない。三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷は手関節尺側部痛の主な要因と認識されているが、連続する周囲構造が橈尺靱帯、半月板類似体、尺側側副靱帯、尺骨三角骨靱帯など多様な構造に分けられて複雑に解釈されており、それらを包括的に理解するまでには至っていない。本研究では、高解像度CTを用いた骨形態解析、組織学的解析、三角線維軟骨と関節包に基づく、尺骨付着部の肉眼解剖を行い、解剖学的に不明確な定義の「靭帯」について、TFCC構造の解剖学的基盤を構築する。
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研究成果の概要 |
三角線維軟骨複合体のマイクロCTによる骨形態的解析、肉眼解剖解析、組織解剖解析を行った。マイクロCTにより、尺骨形状突起の橈側背側部の骨皮質が厚いことが明らかになった。 肉眼・組織解剖では、三角線維軟骨は尺骨茎状突起頂部から壁面に対して線維が連続しており、その遠位面が掌側方向に連続して、掌側の関節包に移行していること、三角線維軟骨から連続する橈尺靱帯は、尺骨茎状突起の近位側においては橈側掌側から尺側背側方向へ向かい、遠位方向に進むにつれてその線維方向を変化させ、尺骨茎状突起の頂部においては、橈側背側から尺側掌側方向へ向かっていることが明らかになり、マイクロCTの結果と矛盾しないものであった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
三角線維軟骨複合体の橈尺靱帯の尺骨茎状突起への付着に関して、本研究のように連続的に解析した既存の研究はなく、その立体構造を明らかにした。橈尺靱帯の付着が尺骨茎状突起の骨形態に影響を及ぼしていることも、新たな知見であった。今回の解析結果から明らかにされた三角線維軟骨複合体の構造は、遠位橈尺関節の背橈側方向と回旋方向への安定性を両立させる上で、合目的なものであった。本研究の結果を踏まえて、三角線維軟骨複合体損傷の病態理解が深まり、新たな治療(解剖学的な修復術)の開発が行われることが、期待される。
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