研究課題/領域番号 |
19K18500
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
今釜 崇 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (00634734)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 化膿性関節炎 / プレセプシン / バイオマーカー / 関節液中プレセプシン / 結晶性関節炎 / 関節液 / 人工関節感染 |
研究開始時の研究の概要 |
化膿性関節炎は診断が遅れ、適切な治療が行われないと関節の破壊を来し、著明な関節機能障害を残す。これを防ぐには早期診断が最も重要だが、現時点では感度、特異度の高い検査は開発されていない。今回、敗血症のバイオマーカーとされる血中プレセプシンの測定方法を、関節液に応用し、関節炎を来した患者の関節液、血液中のプレセプシン値を測定し検討することを目的とした。その結果、化膿性関節炎の関節液中プレセプシン値が変形性関節症や関節リウマチといった他の関節炎と比較し有意に差があり、感度、特異度が高いものであれば、今後の診断において非常に有用なバイオマーカーになり得ると考えている。
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研究成果の概要 |
化膿性関節炎の早期診断を目的として、関節液中、血中プレセプシンの値を結晶性関節炎と比較検討を行った。関節液中、血中プレセプシンは統計学的有意に化膿性関節炎群で高値であった。多変量解析では関節液中プレセプシンのみ有意差を認めた。またROC曲線の解析では関節液中プレセプシン、血中プレセプシンはそれぞれarea under the curve0.93、0.69、感度85.7%、71.4%、特異度85.2%、80.4%、いずれも関節液中プレセプシンで診断精度は高かった。 化膿性関節炎の早期診断を可能とするバイオマーカーとして、関節液中プレセプシンは有用であると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
化膿性関節炎は診断が遅れると不可逆的な関節軟骨や骨のダメージを来し、著明な関節の機能障害を認めるため早期診断が重要とされている。しかし特に臨床上鑑別が困難な結晶性関節炎との比較において感度、特異度の高いバイオマーカーは存在していなかった。本研究において関節液中プレセプシンは感度、特異度がともに85%以上であり、また陰性的中率は93.9%と高い値であった。プレセプシンは約15分で測定可能であり、化膿性関節炎を早期に診断する有用なバイオマーカーと考える。これにより化膿性関節炎は早期に診断可能で、手術等の治療を早期に開始することができ、患者の機能予後を著しく改善する可能性がある。
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