研究課題/領域番号 |
19K18527
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
古賀 寛 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (20838601)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 変形性膝関節症 / 三次元運動解析 / 下肢筋力測定器 / X線評価 / 縦断的疫学調査 / 自然経過 / 疫学調査 / 大腿四頭筋筋力 / 三次元画像解析 / 歩行解析 / サルコペニア / フレイル / 疫学 / バイオメカニクス |
研究開始時の研究の概要 |
変形性膝関節症(膝OA)は加齢に伴う関節軟骨の変性を主体として、痛みと関節機能低下を引き起こす健康寿命延伸の観点から重要な疾患である。我々はこれまで三次元的な膝運動に着目し、OA発症、進行、有症因子を明らかにする研究を行ってきた。その結果から膝OAは解剖学的な身体構造を背景に荷重状態の下肢運動を効率化しようとすることで生じるメカニカルストレス、それが長期間関節や骨に作用することによる形態変形、その変形した骨・関節を効率的な運動に適応させるための運動変化が生じていると考えた。本研究では1979年から40年に渡って継続している縦断的疫学調査において三次元歩行解析を応用し、このメカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
40年を超える変形性膝関節症の住民健診から変形性膝関節症の発症と進行の自然経過を観察した。加えてモーションキャプチャー技術による3次元的な運動解析技術、独自に開発した簡便で十分に精確な評価が可能な大腿四頭筋筋力測定器を導入して、変形性膝関節症の発症や進行、症状の有無に運動の要素と筋力が関わることを証明した。また、高齢になれば全例が何らかの関節症性変化を生じるが、必ずしも末期まで進行し、愁訴を生じないことがわかった。これは変形性膝関節症の予防のために大きな知見となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、手術加療や再生医療などの進歩が著しい変形性膝関節症の治療において、自然経過を詳細に検討することで、膝関節症が必ずしも進行し症状を呈さないことを示した。また、発症や進行における基本的な運動と筋力の重要性を示した。高度な先進医療やMRIなどの検査機器は経済格差や保険制度のため世界的に一般化することは難しい。本研究の成果から簡便で精度の高い筋力測定器や伝統的なX線評価の精度を高めるためのシステムを開発することができた。これらは基本的な評価と診断に寄与するもので、全人類的な意義が高い。
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