研究課題/領域番号 |
19K18530
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
坂本 拓己 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (40634837)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 変形性膝関節症 / 軟骨 / 間葉系幹細胞 / 幹細胞 / knee OA / MIA / PLA cell |
研究開始時の研究の概要 |
膝OAに対して自家培養軟骨移植を用いた臨床研究も進行中であるが、進行した膝OAに対する十分な治療効果は示されていない。これまでの我々の研究では、初期膝OA動物モデルにMSCsの関節内直接投与を行うことで、関節軟骨の保護効果を認めるものの、進行した膝OAに対する軟骨再生・保護効果は示せなかった。しかし局所での抗炎症・除痛効果は、進行期膝OA群においても結果が得られる可能性が示せた。今回我々は、MSCsよりもさらに簡便に入手可能なPLA cellsを用い、軟骨再生・保護効果および、抗炎症・除痛効果についての基礎研究を計画した。発展的内容として、CD271陽性MSCsについても検討を行う予定とした。
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研究成果の概要 |
変形性膝関節症(膝OA)患者は高齢人口の増加により初期病変も含めると膨大な患者数となり、健康寿命延伸のため解決すべき課題である。国内では膝OAに対する軟骨再生治療は、骨髄間葉系幹細胞(BMSCs)、胚性幹(ES)細胞、人工多能性幹(iPS)細胞を用いて研究が行われているが、今回我々は、BMSCsよりもさらに簡便に入手可能で細胞活性の高い、脂肪組織由来のprocessed lipoaspirate cell(PLA cell)を用いて、PLA cellの関節内直接注入による早期および進行期膝OAに対する軟骨再生・保護効果ならびに、抗炎症・除痛効果について検討を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究では二次性関節症動物モデルのPLA cell関節内注射が早期注射群では関節軟骨の残存をもたらしたが後期注射群では軟骨の残存はなかった。炎症性サイトカインの減少、疼痛関連物質の減少は、早期注射群および後期注射群の両群において、PLA cell関節内注射後に観察された。このことはPLA cellを用いたOA治療において、OAに対する軟骨再生・保護効果は早期のOAにしか見込めず、それよりも抗炎症・除痛効果において有用である事を示す結果であった。これはMIA誘発変形性関節症動物モデルにおける軟骨変性および疼痛減少に対するPLA cell関節内注射の治療効果を比較する最初の報告である。
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