研究課題/領域番号 |
19K18561
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
光井 洋介 岡山大学, 大学病院, 医員 (60803781)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 膀胱がん / 癌関連線維芽細胞 / S100たんぱく質 / RAGE / がん関連線維芽細胞 / S100たんぱく質 / HMGB1 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの研究から、がん微小環境下でがんが放出するS100たんぱく質が、がん間質線維芽細胞の受容体RAGEに作用することで、がん進展を著しく加速することを見出している。しかし、S100-RAGEがどのような分子メカニズムで線維芽細胞をがん進展に寄与しているのかについては、十分に解明できていない。本研究では、これまでの我々のS100/RAGEの研究成果と最新の成果を基盤に、膀胱がん進展に重要な間質線維芽細胞のRAGEのまだ未解明な下流信号伝達を解明し、膀胱がんと間質線維芽細胞のコミュニケーションツールとして重要なRAGEリガンドS100たんぱく質の膀胱がん進展における役割を解明する。
|
研究成果の概要 |
我々は膀胱がん細胞と癌関連線維芽細胞におけるクロストークががんの進展に関与するメカニズムの一部を解明した。膀胱がん細胞はS100たんぱく質やHMGB1などを分泌し、線維芽細胞にはそのレセプターであるRAGEが豊富であることは過去の研究により同定されている。今回の研究により、膀胱癌と癌関連線維芽細胞の共培養におけるがん遊走能、浸潤能の亢進と、その経路をRAGE-Fc(RAGE阻害薬)によって阻害されることを見出した。これらの研究成果より癌自体を抑制するだけでなく、癌周囲の間質組織をターゲットとした治療を組み合わせることで、より有効な治療戦略の開発が期待される
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膀胱がんは、その周囲に存在する豊富な線維性間質を特徴としており、がん細胞とその周囲に存在するがん関連線維芽細胞との相互作用は、がんの浸潤・転移に重要な役割を持っているとされているが、その詳細は明らかではない。今回の研究により、膀胱癌と癌関連線維芽細胞の共培養におけるがん遊走能、浸潤能の亢進と、その経路をRAGE-Fc(RAGE阻害薬)によって阻害されることを見出した。これらの研究成果より癌自体を抑制するだけでなく、癌周囲の間質組織をターゲットとした治療を組み合わせることで、より有効な治療戦略の開発が期待され、RAGE-Fcは治療薬の候補としても期待できる。
|