研究課題/領域番号 |
19K18583
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
神宮司 健太郎 大阪大学, 薬学研究科, 特任講師(常勤) (80707571)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 癌抑制性miRNA / 癌微小環境 / 腎癌 |
研究開始時の研究の概要 |
腎癌における分子標的薬は、癌細胞で恒常的に活性化されているシグナル伝達経路や免疫チェックポイントを標的としているが、その効果は十分ではない。申請者はこれまでに腎癌において高発現しており、予後不良性である遺伝子(予後不良性遺伝子群)を明らかにしている。また、その予後不良性遺伝子群を包括的に標的としうる複数の候補miRNAを見出している。しかしながら、それら候補miRNAが腎癌において癌抑制性に作用するか否かは明らかではない。本研究では、腎癌に対する候補miRNAの薬理作用を評価することにより、腎癌における予後不良性遺伝子群を包括的に標的とする癌抑制性miRNAの同定を目指す。
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研究成果の概要 |
本検討により、腎癌予後不良性遺伝子群を標的にするmiR-124-3p、miR-192-5pが癌細胞だけでなく、線維芽細胞に対しても抑制性に働くことがin vitroで示された。また、癌関連線維芽細胞のVEGFA発現抑制を介して両miRNAが、血管内皮細胞も標的としうることが示唆された。今後、生体内においても(in vivo)単一細胞種ではなく癌微小環境構成細胞に広く作用することで、強力な抗腫瘍作用が得られるのかを検証していく予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの癌における創薬研究は単一細胞種を標的としたものである。腎癌においても、癌細胞や血管内皮細胞において恒常的に活性化されている癌シグナル経路をターゲットにした創薬、また近年では腫瘍内免疫細胞をターゲットにした創薬が展開されているが、その効果はどの薬剤においても十分ではない。単一細胞種のみを標的とした場合、複雑にクロストークしている癌微小環境に大きなインパクトを与え、強力な抗腫瘍作用を得るのは難しい。本検討で着目したmiRNAは、癌細胞のみならず癌促進性に働く間質細胞に対しても抑制性に働くため、これまでの創薬ターゲットよりも強力な抗腫瘍作用を発揮できることが示唆された。
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