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難治性尿路上皮癌に対するフェロトーシス誘導による新規治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 19K18599
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分56030:泌尿器科学関連
研究機関東海大学

研究代表者

長谷川 政徳  東海大学, 医学部, 講師 (50383823)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
研究課題ステータス 完了 (2020年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード尿路上皮癌 / フェロトーシス / 脂質 / 抗癌剤耐性 / 抗癌剤
研究開始時の研究の概要

フェロトーシスは、2012年に鉄依存的な活性酸素種と過酸化した脂質の蓄積によって細胞死をきたす新規の細胞死の機序として報告され、癌細胞においてもシスチン・グルタミン酸トランスポーター、鉄代謝、メバロン酸経路、脂肪酸代謝との連絡が報告されている。さらに、治療に抵抗性をきたした状態においてフェロトーシス感受性が上昇するとが明らかとなっており、短期間で多数の研究成果が集積されている現状から、フェロトーシスへの関心が非常に高いことが示唆される。一方、尿路上皮癌では、フェロトーシスに関して我々が調べた限りでは検討がなされておらず、本課題は全く新しい視点からのアプローチと考えられる。

研究成果の概要

尿路上皮癌細胞株に対して一価不飽和脂肪酸(MUFA)であるオレイン酸を前投与するとフェロトーシス感受性は著明に低下し、感受性に生体膜の脂質組成が大きく影響することが明らかとなった。一般に癌細胞はde novoのMUFA合成の責任酵素であるSCD1発現が上昇しており、尿路上皮癌細胞株においてSCD1抑制はフェロトーシス感受性を上昇させたことから、尿路上皮癌はMUFA合成促進によりフェロトーシスから逃避していると推測された。さらに、ゲムシタビンはSCD1を低下させたことから、生体膜のMUFA比率を低下させる可能性があり、ゲムシタビンとフェロトーシス誘導薬との併用療法の可能性を見出した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

脂質は様々なメディエーターとして機能することが明らかとなっているが、水に溶けない物性、ゲノムにコードされない理由から、解析し難く、多くの脂質機能が未解明であり、癌におけるその重要性の認識は不十分である現状にある。脂質を標的とした治療法は現在臨床で応用されておらず、脂質をターゲットとしたフェロトーシス誘導による癌の制圧は全く新しい治療戦略であると考えている。前治療抵抗性となった後にも有効である可能性があり、転移の予防医療や、癌幹細胞を標的とした治療といったこれまでに実現されていない治療概念への発展も期待される。

報告書

(3件)
  • 2020 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Role of the MUC1‐C oncoprotein in the acquisition of cisplatin resistance by urothelial carcinoma2020

    • 著者名/発表者名
      Shigeta Keisuke、Hasegawa Masanori、Kikuchi Eiji、Yasumizu Yota、Kosaka Takeo、Mizuno Ryuichi、Mikami Shuji、Miyajima Akira、Kufe Donald、Oya Mototsugu
    • 雑誌名

      Cancer Science

      巻: 111 号: 10 ページ: 3639-3652

    • DOI

      10.1111/cas.14574

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2019-04-18   更新日: 2022-01-27  

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