研究課題
若手研究
卵巣癌は約30年間全生存率の大幅な改善を認めていない。核酸化学技術、デリバリー担体の開発により核酸医薬は臨床応用されてきた。本研究では卵巣癌における小分子RNAとメッセンジャーRNAの有機的なネットワークを解明し、核酸医薬を用いて卵巣癌治療を行うことを目指す。卵巣癌マウスモデルおよび卵巣癌組織から樹立した3Dオルガノイドを用いた核酸医薬のin vivo・ex vivo評価システムを確立し、精密医療における核酸医薬の臨床応用にむけた基盤を構築する。
卵巣漿液性癌と正常卵巣を用いて全トランスクリプトーム解析・全小分子RNA解析を行い同定したネットワークを解析した。まずmiR-497-5p-SMARCA4について着目した。卵巣癌細胞株においてmiR-497 mimicでは増殖が抑制され、miR-497 inhibitorでは増殖が亢進した。卵巣癌においてSMARCA4発現高値は予後不良であった。また、miR-762 inhibitorによる著明な細胞増殖の抑制を認めた。miR-497によるSMARCA4の有意な発現変化は細胞株において認めなかったが、miR-762阻害およびmiR-497発現上昇は卵巣癌において有効な治療戦略と考えられた。
卵巣癌には近年PARP阻害薬などの分子標的治療が導入されたが、約30年間全生存率の大幅な改善は認めていない。本研究では卵巣癌の精密医療実装にむけて、抗がん剤、抗体医薬の次に続く第3の抗腫瘍薬として核酸医薬の可能性を追求する。核酸化学技術、デリバリー担体の開発により核酸医薬は臨床応用されてきている。卵巣癌における小分子RNAとメッセンジャーRNAの有機的なネットワークを解明し、antimiRおよびmiRNA mimic等の核酸医薬を用いて小分子RNAを操作することにより卵巣癌治療を行うことは卵巣癌の予後改善に寄与すると考えられる。
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