研究課題/領域番号 |
19K18676
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
後藤 志信 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (90591909)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 不育症 / 酸化ストレス / 脱落膜 / マクロファージ / インフラマソーム / IL-33 / MMP / 抗リン脂質抗体症候群 |
研究開始時の研究の概要 |
不育症の発症頻度は4.2%と決して稀ではないが不育症の25%は原因不明であり未だ確立された治療がない。 申請者らはこれまでに妊娠初期において、母体子宮の脱落膜組織中のマクロファージの炎症亢進作用が不育症病態に関与することを報告し、更に不育症患者の血液中・子宮内で酸化ストレス度の上昇がみられることを確認している。 本研究では『酸化ストレス等を契機として脱落膜マクロファージのインフラマソームの過剰な活性化が子宮内において炎症を誘導し絨毛浸潤抑制による流産を引き起こす』との仮説の下に、ヒト臨床検体を用いた解析及び細胞培養実験により原因不明不育症の病態解明と妊娠維持メカニズムの分子的解明を目指す。
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研究成果の概要 |
不育症の発生率は約4%と稀な疾患でなく、その25%は原因不明であり病態解明が求められる。我々は原因不明不育症患者の酸化ストレスに着目し検討を行った。原因不明不育症患者の非妊娠時血液及び流産手術時に得られた脱落膜組織(妊娠により変化した子宮内膜組織)においては酸化ストレス度の指標であるd-ROMsと抗酸化力の指標であるBAPが共に上昇していることを明らかにした。また流産などの妊娠合併症を引き起こす抗リン脂質抗体症候群患者においても非妊娠時の血液中のd-ROMsとBAPは上昇していた。酸化ストレス等の刺激により活性化されるNLRP3が脱落膜組織中のマクロファージで発現していることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年加速する少子高齢化社会において、不育症病態を解明する意義は非常に大きい。原因不育症患者の非妊娠時の血液中及び流産組織中で酸化ストレス度が上昇していることをd-ROMs・BAPで検証した研究はこれまでない。本研究で用いた測定装置は簡便に血中ストレス度を測定することができ、非妊娠時の不育症マーカーとして役立つ可能性がある。本研究は横断研究であるため検証のためには今後更なる前向き研究が必要であるが、酸化ストレス度を下げる様々な介入により妊娠予後を改善する試みに繋がる可能性がある。
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