研究課題/領域番号 |
19K18681
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
狩野 元宏 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (00573403)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 卵胞の発達制御 / 抗ミュラー管ホルモン / デヒドロエピアンドロステロン / 胚細胞腫瘍 / 顆粒膜細胞腫 / ミュラー管抑制因子 / 卵胞発達 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、多嚢胞性卵巣症候群、原発性卵巣機能不全、卵巣予備能低下といった卵巣疾患について、卵胞発達制御に重要な抗ミュラー氏管ホルモン(AMH)とこれらの治療や疾患モデルの作成に有用との報告があるデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)の相互作用という独自の着眼点で病態を解析し、卵巣における卵胞の動員・成熟・発達がどのように制御されているのかを明らかにすることを目標とする。中でも原始卵胞の動員を抑制するAMHの作用が上記のような卵巣疾患に於いてどのように修飾されているのか、DHEAとの相互作用に着目しつつ、実験動物およびin vitro実験を互いに反映させながら検証し、明らかにしていく。
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研究成果の概要 |
本研究では卵胞の発達制御と副腎皮質ホルモンの関わりについての基礎的実験を行った。 抗ミュラー管ホルモン(AMH)受容体が発現しステロイドの産生能力ももつ顆粒膜細胞の腫瘍細胞株を用いて、副腎皮質ホルモンのひとつであるデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)の影響を検証したが、予想に反して有意な変化がみられなかった。 しかし副腎皮質ホルモンの発現変化がある思春期前後で予後が異なる胚細胞腫瘍の細胞株では、DHEAが特定の遺伝子Aの発現変化を含む遺伝子の発現変化が観察された。遺伝子Aは過去に実施したAMH付加実験において大きな変化があった遺伝子で、AMHとDHEAを連携させる可能性を持つと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究を通して浮かび上がった遺伝子Aは、以前に研究代表者が実施したAMHを用いた別の研究でも大きな発現の変化がみられ着目したことのある遺伝子であった。DHEAの投与でこの遺伝子Aの発現が大幅に減少したことは、DHEAの投与がAMHの作用に直接的影響を持つ可能性を示唆する所見である。今後この遺伝子Aが個々の細胞においてAMH、DHEAそれぞれのホルモンに対してどのような役割をしているのかを詳しく検証する事で、卵胞の発達制御と副腎皮質ホルモンの関連がより詳細が明らかとなり、新たな卵胞の発達制御機構を介した治療開発につながる可能性が期待される。
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