研究課題/領域番号 |
19K18716
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
前田 裕斗 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 周産期・母性診療センター, フェロー (90835464)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 産後うつ / エピジェネティクス / メチル化 / 貧血 / 産後鬱 / 産褥期 / 成育医療 |
研究開始時の研究の概要 |
産後うつは妊産婦死亡の最大の原因である自殺の大きなリスクである。産後うつに関するリスク因子の究明は重要な課題であるが、これまで産後うつの生理学的リスクはほとんど同定されていない。申請者らは自施設のコホートを解析し、産褥期の貧血が産後うつと有意に相関することを明らかにした。しかし貧血が本当に産後うつの素因となるのか、またその機序はわかっていない。そこで本研究では、産後うつ患者と正常産褥婦、貧血産褥婦と非貧血産褥婦のDNAメチル化状態の解析を通して、近年産後うつの機序として有力視されるエピジェネティックな変化について産褥期の貧血による影響を調べる。
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研究成果の概要 |
産後うつがどのような人が発症しやすいのかは未だ完全にわかっていませんが、後天的に起こる遺伝子変化を見ることで産後うつ発症のリスクが推定できる可能性が考えられています。本研究では、産後うつと、そうでない方それぞれ4人の遺伝子解析を行うことで、産後うつ、もしくは妊産婦に関係ないうつ病との関連が示唆されるマーカー遺伝子の後天的な変化に差があるかどうか検討しました。結果、これまで産後うつと関連するとされてきたオキシトシン受容体遺伝子(OXTR), エストロゲン感受性遺伝子(TTC9B)などの遺伝子に加え、新たに脳神経成長由来因子(BDNF)という遺伝子に違いがあるかもしれないとわかりました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
産後うつは妊産婦死亡最大の原因である自殺の大きなリスクであり、産後うつ発症予測は母子を守る上で重要な社会的課題です。今回の研究では、産後うつと関連すると報告されている遺伝子の中でもOXTR、TTC9Bと産後うつの関連が確かめられました。そしてこれまで妊娠と関係ないうつ病との関連のみが示唆されていたBDNF遺伝子と産後うつの関連が示唆されました。これらの結果から産後うつの予測に関する研究の発展に寄与したことに本研究の意義があります。
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