研究課題/領域番号 |
19K18722
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
黒川 友哉 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (80837120)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 頭頸部癌 / エピゲノム / 治療効果予測 / 中咽頭癌 / エビゲノム / 化学放射線療法 / 個別化医療 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、頭頸部癌におけるエピゲノム変化に基づく、発癌分子機構の解明とこれまでになかった化学放射線療法に対する効果予測因子の確立を目的とする。 平成31年度は、ビーズアレイを用いた網羅的な遺伝子メチル化解析とPyrosequencingによる、中咽頭癌の層別化および化学放射線療法感受性マーカー候補遺伝子の同定を行う。 平成32年度以降は、当該候補遺伝子の機能解析および臨床検体を用いて当該遺伝子群の治療効果予測因子としての妥当性を検討し、化学放射線療法の個別化へと展開するための研究基盤確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、中咽頭癌治療体系において遺伝子メチル化解析技術を活用し、放射線治療の効果予測マーカーを樹立することを目的とした。 根治的放射線治療を受ける前の中咽頭癌生検検体75検体を用い、Infinium 450Kによる網羅的メチル化解析の結果から治療効果と遺伝子メチル化に相関関係があること及びこれらから構築された治療効果予測マーカーパネルによる放射線治療の効果予測が可能であることが明らかとなった。pyrosequenceによるメチル化状態の検証及びマーカー遺伝子の絞り込みを実施した最終的な治療効果予測性能は正診率94%、AUC値0.98と高く、予後解析結果からも本効果予測性能が検証された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
頭頸部癌は他の癌腫と同様に治療成績は不十分であることに加え、治療による体へのダメージが大きいことから、個々の患者のがんの特徴に合わせた治療の選択が求められている。これまで、治療選択のために有用な指標がなかったものの、今回の研究によりがんの遺伝子に付けられた化学修飾(メチル化)がその糸口になることを解明した。8つの遺伝子メチル化マーカーを用いてこれまでに治療が行われた患者のがん組織を解析しなおしたところ、このマーカーにより高い治療効果予測ができることが明らかとなった。今後実際の医療現場での使用に向けて期待の持てる結果であり、さらなる開発研究が求められる。
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