研究課題/領域番号 |
19K18734
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉田 崇正 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (50600912)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 蝸牛 / 聴覚 / 電気生理 / ラセン靱帯 / 耳科学 / 内耳 / イオンチャネル / トランスポーター |
研究開始時の研究の概要 |
内耳・蝸牛側壁のラセン靱帯には細胞間ギャップ結合が発達している。その構成分子であるコネキシン26(GJB2)の変異は、遺伝性難聴の原因として最も頻度が高い。ラセン靱帯では、細胞間交通の重要性が広く認識される一方で、細胞そのものの役割には不明な点が多い。本研究課題では、ラセン靱帯の細胞成分である線維細胞の機能とその分子基盤を明らかにし、内耳性難聴の新しい病態理解を目指す。
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研究成果の概要 |
内リンパ液高電位(EP)は聴覚の高い感受性にとって重要で、その破綻は難聴を惹起する。I In vivoでは、蝸牛側壁の最外層を構成するラセン靱帯はNa依存性の正の静止膜電位を有する。この正の膜電位はEPに不可欠であるが、その基盤となるNaチャネルははまだ明らかではない。本研究課題では急速単離組織片を用いた細胞内記録により、ラセン靱帯の膜電位をin vitroで実測することに初めて成功した。Naチャネル同定に必要な膜電位のイオン・薬物感受性の知見が得られた。また、比較的簡易な手法なので各種モデル動物に応用可能であり、今後の蝸牛機能解析に有用である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
内耳蝸牛の内リンパ液が持つ+80mVもの高電位は、聴覚の高い感受性を支える電池としての役割を持ち、その破綻は難聴を惹起する。この生体電池の電源として不可欠の役割を担う「ラセン靱帯」は、in vivoにおいてプラスの静止膜電位という特異な性質を有するが、その成立機序は未解明である。本研究課題では、ラセン靱帯の静止膜電位をin vitroで実測することに初めて成功した。今後、各種モデル動物に応用可能な手法であり、内耳性難聴の病態理解や、軟膏疾患に対する治療法の開発に寄与すると考えらえる。
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