研究課題/領域番号 |
19K18742
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
|
研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
西嶌 嘉容 獨協医科大学, 医学部, 講師 (30743132)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 大脳皮質嚥下運動野 / 領域イメージング / 抑制性神経細胞 / 嚥下機能 / Top-down入力 / 大脳皮質嚥下領野 / 嚥下中枢 / 領域イメージング法 / 嚥下パターン受容器 / 大脳皮質運動野 / Topdown入力 / 神経活動 |
研究開始時の研究の概要 |
脳卒中の患者で皮質延髄路に障害を認めると、通常の嚥下反射が遅延することが実地臨床で知られている。つまり、皮質延髄路から嚥下パターン受容器(CPG)への入力は咽頭期嚥下のタイミングを調節している可能性が示唆される。しかし、その具体的な神経学的機序および嚥下機能の恒常性破綻に対する治療の可能性についてはいまだ十分に知られていない。 そこで本研究では、嚥下運動を直接担っていると考えられている大脳皮質第一次運動野に着目し、『嚥下機能における大脳皮質第一次運動野Top-down入力の修飾機構』を解明する。
|
研究実績の概要 |
嚥下運動の神経回路において、これまで皮質延髄路から嚥下パターン受容器(Central Pattern Generator)への入力が、咽頭期嚥下のタイミングを調節している可能性が示唆されてきた。しかし、その具体的な神経学的機序についてはいまだ十分に知られていなかった。そこで皮質延髄路を直接担っていると考えられている大脳皮質嚥下運動野に着目し、同領域が末梢の嚥下関連出力にどのように寄与しているのか、その機構について神経回路レベルで解析した。大脳皮質嚥下運動野の興奮性神経細胞にカルシウム感受性緑色蛍光タンパク質(GCaMP)を発現している遺伝改変マウスを用いて、末梢の嚥下関連神経の損傷前後における嚥下運動野の空間的な細胞活動を解析した。 また、同領域における興奮性神経細胞を制御していると考えられる抑制性神経細胞においてもその活動を可視化することに成功した。しかし、興奮性神経細胞と抑制性神経細胞を同時に観察する実験系については現在検討中であり、同一実験動物、同一視野での観察を目指している。同実験系を用いることで、微小神経回路をより詳細に解析し神経活動操作を行えるような系を構築していきたい。 また、上記の実験系を用いて、大脳からどのような入力を行うことで嚥下反射を調節しているのかを解析することを展望する。また、神経細胞を特定するプログラムを構築中であり、より客観的に関心領域を取得し大規模集団の活動を可視化し、その時間経過を観察していく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
in vivoによる実験系のため、観察可能な実験動物を作成するまでにある一定の時間を要する。また、抑制性神経細胞に遺伝子を導入する技術の習得に時間を要した。
|
今後の研究の推進方策 |
大脳皮質嚥下領野における微小回路についてより詳しい解析を行っていく。特に抑制性神経細胞には複数の細胞種が知られていることから、抑制性神経細胞どうしの制御機構についても実験を行っていく。
|