研究課題/領域番号 |
19K18749
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
尹 泰貴 関西医科大学, 医学部, 助教 (60620755)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 好酸球 / 好酸球性副鼻腔炎 / CD69 |
研究開始時の研究の概要 |
好酸球は、気管支喘息やアレルギー性鼻炎などのアレルギー性疾患において炎症局所に集積・活性化し、組織傷害性タンパク質や種々のサイトカインやケモカインを産生したりすることで、その病態形成に重要な役割を果たしている。好酸球性副鼻腔炎では、局所に浸潤した好酸球が病態形成に深く関与していると考えられている。組織に浸潤した好酸球は活性化し、CD69分子を発現しているがその詳細なシグナル伝達や機能的役割については、 まったく解明されていない。この疑問を解明する事で、好酸球性副鼻炎を制御する新たな治療戦略の開発につながると期待される。
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研究成果の概要 |
好酸球性副鼻腔炎(Eosinophilic Chronic Rhinosinusitis:ECRS)は、鼻内に炎症組織として好酸球が高度に浸潤する鼻茸を有し、高頻度に喘息を合併する難治性疾患である。今課題の研究成果として、ECRS鼻茸組織中で炎症のKey playerである好酸球が血球系活性化マーカーであるCD69を高発現し、ECRSの鼻症状や呼吸器症状の重症度とCD69の発現量が相関することを見出した。さらに好酸球に発現するCD69を直接刺激することにより、炎症を惹起する組織障害性タンパクであるEosinophilic peroxidase(EPX)が放出されることを発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ECRSは難治性の好酸球性炎症性疾患で指定難病となっており、その疾患メカニズムや治療法の解明は現在の最重点課題である。本研究の結果より、血球系の活性化のマーカーとして用いられているCD69は好酸球の活性化の指標として有用であり、症状の重症度に強く関連していることがわかった。さらに、活性化のマーカーとしてのみならず、EPXを放出し炎症を惹起させるという機能的役割を解明したことで、CD69を制御し活性化を抑制するというECRSへの新たな治療薬への開発の足がかりとなった。
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