研究課題/領域番号 |
19K18756
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
後藤 真一 弘前大学, 医学研究科, 助教 (10833577)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 遺伝性難聴 / 疫学調査 / ミトコンドリア遺伝子 / 加齢性難聴 / ハプログループ / 岩木健康増進プロジェクト / ROS / 薬剤性難聴 / 一般住民 / 遺伝学的検査 / 遺伝カウンセリング / 遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
難聴をきたす原因は様々であるが、近年はその一つとして遺伝子変異が注目されている。遺伝子変異による難聴は一般的には先天性であり大多数が発見される。 一方、後天的に難聴をきたす疾患として、遺伝子変異が関与する若年発症型両側性感音難聴と薬剤性難聴の原因となるミトコンドリア遺伝子1555A>G変異がある。両疾患ともに、難聴をきたす前の段階で診断することができれば早期治療および予防が可能という大きな利点がある。 本研究では一般地域住民に対する健診において遺伝学的検査を行うことで、難聴の原因となる遺伝子変異の有病率を同定し、将来的には聴力低下の早期発見、早期治療および予防のため手法を確立することを目的とする。
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研究成果の概要 |
地域住民を対象とした大規模疫学研究である岩木健康増進プロジェクトを通して難聴に関連する遺伝子の病的バリアントでありミトコンドリア1555A>Gおよび1494C>Tの有病率について検討した。その結果、一般地域住民におけるミトコンドリア1555A>Gの有病率は0.06%であった。ミトコンドリア1494C>T変異を有する参加者は認めなかった。また、ミトコンドリアハプログループと難聴との関連について解析を行ったところ、男性ではハプログループAが有意に難聴をきたしやすい結果となった。また女性ではハプログループN9が有意に難聴になりにくいという結果となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
難聴により生じるコミュニケーション障害は結果として意欲低下やうつ症状につながり、QOLの低下を招く。また近年では難聴と認知機能低下との関連についても注目されており、難聴の早期発見、早期治療は認知症予防としても重要である。 本研究によりミトコンドリア1555A>Gの有病率および加齢性難聴と関連のあるミトコンドリアハプログループについて解明することができた。本研究の結果をより簡便に検査できるようになることで、将来的に難聴を生じやすい遺伝子的な特徴を有しているかどうか把握することができるようになる。その結果、難聴のみならず、認知症の早期発見および早期治療へつなげることができる可能性がある。
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