研究課題/領域番号 |
19K18760
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 帝京大学 (2020-2023) 東京大学 (2019) |
研究代表者 |
清水 裕也 帝京大学, 医学部, 助手 (00770190)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 鼻過敏症 / アレルギー性鼻炎 / 血管運動性鼻炎 / TRPM8 / メントール / 温度受容 |
研究開始時の研究の概要 |
今や国民病とも言えるアレルギー性鼻炎や高齢者に多い血管運動性鼻炎は鼻過敏症の代表疾患であり、外界からの刺激に対し鼻閉、鼻汁、くしゃみなどの病的反応が惹起されることが特徴である。この反応には知覚神経を介した鼻粘膜の過剰な応答が関与していると考えられているが、詳細は未解明な点が多い。近年の研究によりTRP(Transient Receptor Potential)チャンネルという体内で刺激センサーとしての役割を持つ分子が鼻腔の知覚神経にも存在することが明らかとなってきた。本研究ではその中でも冷刺激を感知するTRPM8に着目し、TRPM8が正常鼻腔や鼻過敏症でどのような役割を持つか明らかにする。
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研究実績の概要 |
鼻過敏症の病態生理におけるTRP(Transient potential receptor)チャンネルの役割を解析することが本研究の目的である。特に冷気の吸入刺激は鼻症状のト リガーになることに着目し、冷覚受容に関わるTRPM8の発現、機能解析を行っている。これまでのマウスを用いた検討ではアレルギー性鼻炎モデルマウス、加齢 モデルマウスの鼻組織においてTRPM8の発現が増加していることが確認され、またTRPM8のアゴニストであるメントールを点鼻すると双方のモデルマウスでくしゃ みの回数が増加することが確認された。一方、TRPM8knock outマウスを用いた同様の点鼻実験では異なる結果が確認された。knock outマウスのアレルギー性鼻炎モデルではメントール点鼻に対するくしゃみの回数が増えたものの、加齢性モデルではくしゃみの回数は増加しなかった。wild typeマウスで認めた加齢によるくしゃみ回数の増加はknock outマウスでは認めなかった。このことからTRPM8の影響は加齢モデルマウスにおいてより強くあらわれるものと推測された。現在は各種モデルマウスのメントールに対する反応を分子生物学的な見地から評価するために三叉神経主知覚の染色を試みているが、この領域の断面を正確に再現性をもって切り出すことに難渋している。
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