研究課題/領域番号 |
19K18787
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小山 一 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80825167)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 耳科学 / 耳科手術 / 人工知能 / 機械学習 / 鼓室形成術 / 中耳 / 画像解析 / 術後成績予測 / 難聴 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで行われてきたCT画像から聴力改善を予測する研究では、医師が画像を見て診断した定性的な表現に頼るものであったた。今回、人工知能を用いて手術施行前の側頭骨CT画像を解析させ、術前に術後の聴力改善を予測する定量的なシステムを開発する。また、このモデルを用いて、予測に寄与するCT画像上の箇所を特定し、手術成績にもっとも影響を与える中耳構造物の病態の特定を目指す。
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研究成果の概要 |
我々は、人工知能の中でも機械学習の技術を応用し、①慢性化膿性中耳炎の術後聴力成績、②人工中耳埋め込み術の術後聴取成績、③小児人工内耳術後の前庭障害、④小児人工内耳術後のマッピング条件の4つのClinical questionに対し、術後合併症や術後成績、設定条件などを予測し、かつそれらに影響を与える因子の同定を目的に研究を行った。その結果、いずれの耳科手術もこれらの機械学習の予測が有用であり、鼓室形成術は術前気骨導差、人工中耳手術は術前補聴器装用下語音聴取成績が予測に重要な因子であった。また人工内耳術後の前庭機能は経時的に障害が生じる可能性があることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
耳科手術において、個々の患者にとって最も有益な情報とは、手術の一般的な成功割合や合併症の発生率ではなく、患者自身の改善の程度や合併症の発生率である。個別化医療が提唱されて久しいが、外科手術における個別化医療のためには、患者個々の状態に応じた手術治療成績が必要であり、機械学習による予測はそのための貴重な情報となる。本研究により、患者個人個人の状態に応じた最適の手術の提示、およびその手術によって得られる聴力やリスクなどを、高い精度を持って個別に提供できることがわかった。
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