研究課題/領域番号 |
19K18798
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
倉田 奈都子 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 非常勤講師 (30516315)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 血管条 / 難聴 / マクロファージ / メラニン / 内耳 / 色素沈着 / SLC26A4 / 耳科学 / SLC26A4変異 |
研究開始時の研究の概要 |
SLC26A4変異による難聴は、本難聴遺伝子以外の環境因子による影響が示唆されている。内耳血管条内には著明に増加・増殖した色素沈着とマクロファージが観察され、血管条内色素沈着はSLC26A4変異による難聴の増悪因子と考えられる。 本研究ではSlc26a4l欠損マウスを用いて、色素欠損したアルビノマウスを遺伝的背景に持つ モデルマウスと交配させることで、内耳血管条におけるメラニンが関与する影響および各種障害に対する反応メカニズムの解明を目的とする。これらの結果はSLC26A4変異による聴力の変動や難聴の進行の予防法確立のみならず、血管条障害に伴う老人性難聴のメカニズム解明にも大きく貢献する。
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研究実績の概要 |
本研究では SLC26A4 遺伝子の機能と血管条との関連を解析することにより、高頻度に同定される本遺伝子の変異による内耳障害の病態を解明することが目的である。SLC26A4変異による難聴は、本難聴遺伝子以外の環境因子による影響が示唆されている。内耳血管条内には著明に増加・増殖した色素沈着とマクロファージが観察され、血管条内色素沈着SLC26A4変異による難聴の増悪因子と考えられる。本研究ではSlc26a4l欠損マウスを用いて、アルビノマウスを遺伝的背景に持つ モデルマウスと交配させることで、内耳血管条におけるメラニンが関与する影響および各種障害に対する反応メカニズムの解明を目的とする。Slc26a4ノックアウトマウスは先天性重度難聴とされてきたが、白色系アルビノマウスと交配し色素欠損した遺伝的背景のもとでプライエル反射を確認すると反応が見られ、ある程度の聴力を獲得していることが確認できた。Slc26a4ノックアウトマウスを白色系アルビノマウスCD1(ICR)と交配し、メラニン色素を欠損したSlc26a4ノックアウトマウスを作成した。白色系アルビノマウスと交配したSlc26a4 ノックアウトマウスおよびSlc26a4 機能不全マウスにおいて、血管条における色素沈着ならびにマクロファージの集積を認めなかった。さらにCD68陽性マクロファージもほとんど観察できなかった。別のマクロファージマーカーであるIba1やF4/80陽性マクロファージの分布にほとんど差を認めなかった。Slc26a4Δ/Δによる実験を通して、メラニン合成の役割を担う中間細胞の変性が先行してみられ、その後辺縁細胞が変性していくこと、メラニン沈着は血管条全体に広がっていること、アメボイド型の血管条内マクロファージがメラニン凝集塊を貪食していること、色素沈着レベルが聴覚障害レベルと相関することを明らかにしていた。
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