研究課題/領域番号 |
19K18800
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
阿河 光治 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (90756230)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 上咽頭癌 / エクソソーム / 腫瘍関連マクロファージ / LMP1 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,仮説「上咽頭癌腫瘍微小環境においてEBV癌蛋白LMP1発現エクソソームが腫瘍関連マクロファージを介して免疫寛容を誘導する」を検証する.すなわち,1. LMP1発現エクソソームの細胞内からの放出機構と2. 放出後の腫瘍関連マクロファージへの影響を解析する.
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研究成果の概要 |
Epstein-Barrウイルス(EBV)関連上咽頭癌組織は細胞障害性T細胞が著明に浸潤する免疫抑制状態である。上咽頭癌細胞はEBV癌蛋白LMP1発現エクソソームを分泌すること、LMP1はM2型の腫瘍関連マクロファージを誘導するgalectinを誘導することから、この機構にはM2腫瘍関連マクロファージの誘導機構活性化が関与する。本研究では、EBV癌蛋白LMP1発現エクソソームと腫瘍関連マクロファージについて検証し、LMP1発現エクソソームがM2腫瘍関連マクロファージを増加させ、その阻害にファルネシルトランスフェラーゼ阻害薬が有用であることを証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
進行上咽頭癌において放射線化学療法は効果的であるが,再発例では治療に難渋する。免疫チェックポイント阻害剤は癌免疫逃避機構のブレーキを解除することで腫瘍微小環境における細胞障害性T細胞を活性化させ、間接的に抗腫瘍効果を発揮する新規免疫療法として期待されている。しかし、上咽頭癌再発例に対してpembrolizmabを使用した報告では奏効率は22%であり効果は十分ではない。本研究の結果は、LMP1発現エクソソームによるM2腫瘍マクロファージの増加がEBV関連上咽頭がんの免疫微小環境の形成に重要であることを示したものであり、将来的な上咽頭癌の新規免疫治療法につながる重要な研究である。
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