研究課題/領域番号 |
19K18825
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
野津 英司 川崎医科大学, 医学部, 助教 (80388933)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 嗅球 / 神経回路 / シナプス結合 / 電子顕微鏡 / カルレチニンニューロン / シナプス / 傍糸球体ニューロン / calretinin / カルレチニン / 傍糸球体細胞 / 電子顕微鏡連続切片再構築法 |
研究開始時の研究の概要 |
嗅球は匂い分子受容体を発現した嗅受容細胞からの入力を受ける領域で、嗅受容細胞から入力された情報を処理し、嗅球投射ニューロンの興奮としてより高次の領域へと投射する。この嗅球内での情報処理が、少数の匂い分子受容体により無数の匂いを識別するメカニズムに関連すると考えられており、嗅受容細胞および嗅球投射ニューロンの双方が接続する嗅球糸球体の神経回路の解析が進められている。本研究は、糸球体の主要な細胞群であるカルレチニン免疫陽性ニューロンを、デジタル電子顕微鏡を用いた連続切片再構築法によって解析し、その神経回路を形態学的な観点から明らかにするものである。
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研究成果の概要 |
本研究は、匂い情報の一次中枢である嗅球で、情報の調節に重要な役割を果たしている介在ニューロン群のなかで、神経回路の解析が進んでいないcalretinin免疫陽性ニューロン(CRニューロン)を形態学的な手法で解析するものである。ラット嗅球CRニューロンを免疫染色と電子顕微鏡によって解析をおこなった結果、樹状突起に、抑制性伝達物質であるGABAを含むことが示唆される小胞が集積している部位を確認した。一方で、これまでにおこなった広範囲電顕観察ではCRニューロンが形成するシナプスは観察できず、他の傍糸球体ニューロンと比較して出力となるシナプスが少ないことが示唆される結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、嗅球の主要な介在ニューロンの1つでありながら、未だその機能的基盤となる神経回路が明らかになっていないCRニューロンのシナプスを形態学的な観点から解析したものである。シナプス結合はナノメートルレベルの構造物であり、その存在や形態については電子顕微鏡を用いた解析が必要であるが、これまでにその報告は少数であった。今回得られた研究成果は、CRニューロンがこれまでに解析されているcalbindin免疫陽性ニューロン(CBニューロン)やtyrosine hydroxylase免疫陽性ニューロン(THニューロン)と異なる回路特性を有していることが示された。
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