研究課題/領域番号 |
19K18859
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
有馬 武志 日本医科大学, 医学部, 講師 (00823113)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | PPARα / PPARβ / PPARγ / PPAR / 角膜創傷治癒 / 血管新生 / PPAR alpha / neovascularization / angiopoietin-2 / VEGF / PPAR beta / PPAR gamma / LV-SEM |
研究開始時の研究の概要 |
ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(PPAR)αは抗脂血症剤として広く普及している。近年、PPARαは、本来の働きである脂質代謝以外の作用が報告されており、我々はPPARαアゴニストを点眼剤にすることで抗血管新生作用を有することを証明した。血管新生緑内障や糖尿病網膜症といった眼内新生血管病に対してPPARαアゴニストの点眼剤としての臨床応用や新たな投与方法(内服・硝子体投与)が可能か検討を行う。
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研究成果の概要 |
本研究にてPPARα以外のPPARβ/δ、PPARγといったアゴニストにおいても同様に点眼剤化を行い、創傷治癒への影響を評価した。PPARβ/δアゴニスト点眼剤は炎症を抑制する一方、血管新生は促進させた。正常角膜へPPARβ/δアゴニスト点眼を投与した場合には血管新生は生じなかったため、炎症を起点とした血管新生促進作用があると考えられる。 PPARγアゴニスト点眼剤はPPARαとの合剤として使用することで作用が増強し、より線維化を抑制した。各PPARおよびPPAR合剤は血管新生緑内障や糖尿病網膜症などの難治性眼疾患における新たな治療 戦略の候補となる可能性があり、今後も研究を進めていく。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PPARαは角膜上皮細胞、網膜内顆粒層、血管内皮細胞 に多く、PPARβ/δは角膜上皮細胞、角膜内皮細胞に、そしてPPARγは角膜上皮細胞、炎症浸潤細胞に多く発現を認めた。局在と役割には相関関係があり、網膜内顆粒層に発現の多いPPARαに関して、硝子体内注射による網膜血管新生病変への新規治療法となる可能性がある。PPARβ/δアゴニストに関しては、角膜内皮細胞に発現が多くKi67の活性化を伴う細胞分裂能の促進を認める点から、角膜内皮細胞の再生治療薬候補となる可能性がある。PPARγアゴニストは炎症を抑えるだけでなく創傷治癒を促すM2マクロファージの分化を促す点から消炎治療薬となる可能性がある。
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