研究課題/領域番号 |
19K18872
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
白矢 智靖 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60572394)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 糖尿病黄斑浮腫 / 糖尿病網膜症 / 網膜光凝固術 / 閾値下レーザー / RNAシーケンス / 黄斑レーザー / 網膜光凝固 / 網膜色素上皮 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病黄斑浮腫(DME)は、液体流入と排出のバランスが不均衡に転じた結果、網膜内に液体が貯留する現象であり、流入因子としての網膜血管の透過性亢進のみならず、バリア機能や排出機能を担う網膜色素上皮(RPE)の障害も重要である。DMEの治療のひとつとして黄斑部への局所レーザー治療があるが、この奏功機序は十分に解明されていない。本研究では、糖尿病動物モデルを用いて、RPEのバリア機能(透過性)の変化や細胞間接着の構造変化を調べ、さらにDMEに関連する成長因子やサイトカインの分子学的発現変化を包括的に探索する。
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研究成果の概要 |
糖尿病黄斑浮腫の治療としてマイクロパルスを用いた従来法よりも低侵襲を可能とした閾値下レーザーがある。本研究では、従来法による照射およびマイクロパルスによる2つの照射方法を用いてヒトiPS細胞由来のRPE細胞に対して照射を行い、これらの照射条件が及ぼす遺伝子発現変化についてRNAシーケンスを使って網羅的な検討を行った。その結果、閾値下レーザーでは従来法と比べて光感受性や視細胞維持などの神経系プロセスに有益な効果をもたらす遺伝子発現、また、従来法よりもアポトーシスの抑制に有利である遺伝子発現がみられた。この結果は、レーザー治療が網膜に及ぼす温熱効果の分子機構の解明に貢献するものと考える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病黄斑浮腫(DME)に対する治療は抗VEGF療法が第一選択であるものの、頻回投与の必要性や治療抵抗例があり、現在でも黄斑レーザーが担う役割は大きい。しかし、従来法では視力の安定化は示されているものの、少なからず網膜への侵襲が懸念される。これを克服するためにマイクロパルスを使った閾値下レーザー(SMPL)が登場したが、この奏功機序については十分に解明されていない。本研究によってSMPLは従来法よりも光感受性や視細胞維持などの神経系プロセスに有益な効果をもたらす遺伝子発現や、アポトーシスの抑制に有利である遺伝子発現がみられ、SMPLの優位性を示し、これからのDME治療への普及が期待される。
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