研究課題/領域番号 |
19K18883
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
井上 奈緒美 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (60791168)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 糖尿病網膜症 / 筋線維芽細胞 / ペリサイト / マクロファージ / 網膜線維化 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病網膜症は、本邦において成人の主要な失明原因になっているが、増殖期に対する有効な薬物療法がない。要因として、網膜症を再現できるモデル動物がおらず、疾患の進行メカニズムが解明されていないことが挙げられる。 我々が開発した、ペリサイト消失網膜症モデルマウスは、糖尿病網膜症と同様の病理変化を再現し、線維血管増殖膜を形成、最終的に網膜組織構造が破綻するまでの変化を解析することが可能である。この分子メカニズムを解明することで、増殖糖尿病網膜症に対する新規治療薬の開発に繋げることを目指す。
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研究成果の概要 |
糖尿病網膜症では毛細血管壁のペリサイトが消失することにより、血管透過性が亢進する。さらに血管閉塞が進行すると線維血管増殖膜が形成され、網膜剥離により失明に至る。本研究では、ペリサイト消失網膜症モデルマウスの急性炎症から慢性炎症への移行に伴って、残存ペリサイトと網膜色素上皮細胞が筋線維芽細胞に分化転換すること、さらに活性化型ミクログリアが線維化を促進することを明らかにした。同様の機構により、糖尿病網膜症の線維血管増殖膜が形成されると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病網膜症はしばしば血管透過性亢進に伴う黄斑浮腫を合併し、視機能低下の原因となる。近年では抗VEGF療法の普及により薬物治療が急速に進歩している。一方で、増殖期の糖尿病網膜症における線維血管増殖膜形成に対しては、未だ有効な薬物療法がない。本研究では、糖尿病網膜症の病態を再現するペリサイト消失網膜症モデルマウスを用いて、網膜線維化の細胞・分子機構を解明した。こうした成果は、増殖糖尿病網膜症の新規治療法開発に寄与することが期待される。
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