研究課題/領域番号 |
19K18894
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
佐瀬 佳奈 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (30821904)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | オートファジー / p62 / p-p38 / p62 / p38 / 軸索保護 / p38 / 視神経軸索保護 / MAPKp38 |
研究開始時の研究の概要 |
緑内障では視神経軸索障害が先行する網膜神経節細胞死がおこり、症状として視野障害が出現する。緑内障の病態は視神経軸索障害であることから視神経軸索を保護することで視野障害は抑制されると考えられる。我々はオートファジー活性上昇により視神経軸索保護にむかう事を見出している。オートファジーの上流にはMAPKシグナルが存在しており、MAPKシグナルの抑制が視神経軸索にどのような影響を与えるか検討する。また、視神経におけるMAPKシグナルの抑制でのオートファジー関連因子への影響についても検討する。MAPKとオートファジーの経路の観点から緑内障性視神経症への根本治療法導入につながる研究成果を目指す。
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研究成果の概要 |
視神経軸索保護作用を示すオートファジー誘導体であるAkebia Saponin D (ASD) はMAPKも抑制する事が報告されている。ウエスタンブロットでTNFによりp-p38、p62共に発現が上昇しそれをASDが抑制するが、発現上昇のピークがp-p38は硝子体注射1週後に対しp62は1-2週後であることからp38がp62の上流に存在する可能性が考えられた。p38阻害剤であるSB203580は形態的に軸索保護作用を示しTNFにより上昇したp62の発現を低下させることから、p38の抑制を介したオートファジーの上昇が軸索保護作用に寄与していると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
緑内障患者で薬剤、手術により十分な眼圧下降が得られても視野障害の進行を阻止できない患者には眼圧非依存性の根本的治療が必要である。緑内障の病態は視神経軸索障害であることは視神経乳頭のリムの菲薄化と一致する神経線維層欠損から明らかであり、視神経軸索保護効果を有する様々な治療が期待される。p38は多くの炎症系疾患に関与しているとされていて、関節リウマチの治療薬としてp38阻害剤が臨床試験まで進んでいる。pヒトですでに安全性が確立されたものの中で視神経軸索保護効果を示すものを明らかにできれば、投与経路等も検討した上で、将来的に緑内障治療の新たな選択肢を見出せる可能性がある。
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