研究課題/領域番号 |
19K18904
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
緒方 英之 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60646024)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 慢性創傷 / Werner症候群 / リンパ管 / 老化 / 創傷治癒 / 難治性皮膚潰瘍 / 慢性創傷モデル / センダイウイルス / b-FGF / センダイウイルスベクター / 遺伝子治療 / 細胞外マトリックス |
研究開始時の研究の概要 |
成長因子(b-FGF)遺伝子を搭載したセンダイウイルスベクター(SeV-FGF-2)を使用した、慢性創傷(治りにくい傷)に対する遺伝子治療の研究を行う。われわれは慢性創傷に直接SeV-FGF-2を投与し、局所の細胞から持続的にb-FGFを産生させることで創傷治癒の促進効果が得られると考えている。 まずは実験用マウスに人工的に作った皮膚潰瘍に、SeV-FGF-2を局所投与し、創傷治癒促進効果を評価する。
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研究成果の概要 |
慢性創傷に対するb-FGF導入センダイウイルスの使用を検討する準備として慢性創傷がなぜ生じるか、メカニズムを解明する必要があった。Werner症候群(WS)は、難治性の皮膚潰瘍を発症する確率が高い疾患であり、皮膚潰瘍の発生や進行に関与する因子やメカニズムを解明するためのモデルとして有用である。本研究ではWS患者の潰瘍部の病理組織学的探究を行った。その結果、潰瘍部皮下に生じている石灰化がリンパ管内局在していること明らかにした。また、リンパ管内皮細胞内に異常なWRN蛋白が蓄積していることを明らかにし、この結果は石灰化の蓄積がリンパ管の老化によって生じている可能性を示唆するものであった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はWS患者の慢性創傷においてリンパ管の老化現象に似た異常が生じていることを明らかにした。このことはWS患者の創傷治癒遅延のメカニズムの解明に寄与する可能性がある。また、WSではない一般的な難治性創傷においても、リンパ管の異常が関係している可能性があり、本研究の成果がこれらの現象が創傷治癒に及ぼす影響を評価するための指標や手法を提供するものと考える。また当初の目的であった、慢性創傷に対するb-FGF導入センダイウイルスの使用においてもその効果の機序の解明や評価方法に寄与するものであると考えられる。
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