研究課題/領域番号 |
19K18935
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
松井 千裕 順天堂大学, 医学部, 非常勤助手 (80815019)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 脂肪組織由来幹細胞 / サイトカイン / パラクライン効果 / リンパ管新生 / 血管新生 / サイトカイン放出 / 管腔形成 / PCR / ELISA / リンパ管内皮細胞 / bFGF / リアルタイムPCR / 脂肪幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は糖尿病患者脂肪組織幹細胞が健常人のそれと比較して、刺激による内因性増殖因子の産生の違いやそれによるパラクライン効果にどのような違いがあるか検証することを目的とする。幹細胞補充療法の本質は、必ずしも細胞の分化能による組織再生とは限らず、むしろ幹細胞の持つ“増殖因子放出媒体”としての役割のほうが、より組織再生において重要な側面を持つと考えている。従って、その機能を最大限に活かすための検証において脂肪幹細胞を用いて糖尿病患者と健常人との比較による病態機序解明を行う。そして、糖尿病性潰瘍および健常人の創傷治癒に対する新たな治療法の確立に役立つデータを収集、解析を行う。
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研究成果の概要 |
本研究は脂肪組織由来幹細胞(ADSCs:Adipose Derived Stem Cells)を効果的に治療に用いるため、サイトカイン放出効果(パラクライン効果)の特性について詳細な検証を行った研究である。 我々はADSCsのパラクライン効果を高めることが知られているb-FGFをADSCsに投与し、オートクライン効果が発生する前段階で放出されたサイトカインを合計181種類調査した。最終的にCXCL1とIL8というサイトカインが人種、性別、年齢問わず放出され、同様の結果が糖尿病患者のADSCsでも見られた。またCXCL1とIL8が創傷治癒に不可欠な血管新生とリンパ管新生を促進することが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ADSCsを用いた治療についてはこれまで多くの論文が報告されており、その効果をb-FGFが促進することも知られてきたが、これまで「何の成分が効果的であるから治療に役立つ可能性があるのか」が不明瞭なままだった。またこれまでADSCsをb-FGFで刺激した際に得られる反応に対し、創傷治癒に関連する181種類もの遺伝子に関しての検証は行われておらず、詳細な検証が行われたのは本研究が初めてとなる。そのため漠然と役立つという形で定義されていたADSCs治療に関し、具体的に創傷治癒に効果のあるサイトカインを同定したことは、今後の再生医療の発展に大きく寄与すると考えられる。
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