研究課題/領域番号 |
19K18947
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
坂根 千春 長崎大学, 先導生命科学研究支援センター, 助教 (40792578)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 骨芽細胞突起形成 / Runx2 / Tln2 |
研究開始時の研究の概要 |
骨芽細胞特異的に Runx2 を過剰発現した Tg マウスでは、骨芽細胞の成熟が抑制され、骨は未熟骨芽細胞で占められていた。全身の骨は、線維骨によって形成されており、高頻度に骨折が起こり、ほとんど骨細胞が存在せず、骨細胞突起の著減が観察された。この時、Runx2 の下流で骨芽細胞突起形成を阻害する分子を探索したところ、Talin2 (Tln2) の関与が示唆された。本研究では、骨形成における Tln2 の生理的機能を明らかにするとともに、骨芽細胞突起形成を抑制する分子メカニズムを解明する。これは、骨の成熟を促進させる方法を提供し、骨再生研究に大きく貢献する。
|
研究成果の概要 |
間葉系幹細胞から骨芽細胞への分化に関わる転写因子Runx2は、骨芽細胞の成熟過程において、未熟骨芽細胞では強く発現しているが、成熟骨芽細胞では発現が低下する。I型コラーゲンプロモーターを用いて骨芽細胞にRunx2を強発現させると、骨芽細胞の成熟が抑制され、骨細胞も減少する。この時、骨のコラーゲン繊維の走行がランダムになり、骨芽細胞と骨細胞では細胞突起の数が減少する。 Runx2の下流で骨芽細胞突起形成に関わる遺伝子としてTln2を同定したので、本研究では、Runx2がTln2の発現調節を介して突起形成を主とした細胞骨格を制御することにより、骨芽細胞の成熟を調節している可能性を検討した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Tln2の生理的機能を明らかにした報告は少なく、骨芽細胞の分化・形態・機能および骨代謝に関する報告はない。本研究で Tln2ノックアウトマウスの骨組織を調べたところ、骨のコラーゲン繊維の走行にTln2が関与している可能性が示唆された。 また、骨芽細胞特異的にRunx2を過剰発現させたトランスジェニックマウスをTln2ノックアウトマウスと掛け合わせることによって、骨に見られる異常の一部が回復していた。得られた結果をもとに研究を発展させることは、Runx2による骨格形成制御の分子メカニズムの解明を進展させるとともに、骨の成熟を促進させる方法を提供し、骨代謝研究に大きく貢献する。
|