研究課題/領域番号 |
19K18998
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
芥川 桂一 広島大学, 医系科学研究科(歯), 専門研究員 (40826369)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 歯周病 / HMGB1 / RAGE / 歯周炎 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに、歯周炎が歯周局所のhigh mobility group box 1 (HMGB1)を増加させること、糖尿病がreceptor for AGEs (RAGE)を上昇させることが既に報告されていることから、糖尿病患者における歯周炎の進行には、HMGB1-RAGE 経路の関与が示唆される。そこで、本研究では、歯周炎-糖尿病モデルマウスにおけるHMGB1-RAGE 経路の制御が、歯周炎及び糖尿病の病態改善に与える効果について評価し、口腔からの健康増進寄与について検討する。
|
研究成果の概要 |
近年、歯周炎と糖尿病の間に関連が示されている。糖尿病患者における歯周炎の進行に、炎症性サイトカインのHMGB1と、糖尿病の原因物質AGEの受容体であるRAGE間の経路の関与が示唆されており、HMGB1-RAGE経路の制御が双方の病態へ与える効果の検討が必要であった。研究代表者は、歯周炎と糖尿病を併発させたモデルマウスにHMGB1の阻害作用があるglycyrrhizinを用いて双方の病態への影響を評価した。glycyrrhizinは歯肉でのHMGB1及びRAGEの発現を抑制し、空腹時血糖値を抑制した。このことから、HMGB1制御が糖尿病と歯周病双方の病態に改善効果を与えることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題の成果から、歯周炎と糖尿病の相互関係にHMGB1-RAGE経路が関与しているということ、及びHMGB1産生の原因となる歯周炎を抑制することで糖尿病の病態における空腹時の血糖値が改善するという新規知見が得られた。 また、今回使用したglycyrrhizinは生体に対する毒性が低く応用もしやすいため、これを用いる事で国民の80%が罹患している国民病とも言われる歯周炎と糖尿病の双方への治療法が開発可能であると考える。
|