研究課題/領域番号 |
19K19002
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
長谷川 大学 九州大学, 大学病院, 助教 (20757992)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 歯根膜細胞 / 幹細胞転換 / MEST / 歯周組織再生 / PITX2 / HOXD8 / Wntシグナル |
研究開始時の研究の概要 |
歯根膜幹細胞は歯周組織再生の有用なツールであるが、歯根膜組織より分離できる幹細胞の数は極めて少ないため、歯根膜幹細胞を大量に獲得する方法の確立が待望されている。申請者は最近、歯根膜幹細胞に高発現する因子を同定し、ヒト歯根膜細胞にこの因子を遺伝子導入することで多分化能を有する幹細胞様の細胞に転換させることに成功した。そこで申請者は、この幹細胞転換により得られたヒト歯根膜幹細胞様細胞の歯周組織再生能について検討すること、さらに、この幹細胞転換の詳細なメカニズムを解明することを計画した。本研究から得られる知見は、歯根膜細胞の幹細胞転換を基盤とした新たな歯周組織再生治療法の開発に繋がると考えている。
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研究成果の概要 |
本研究では、MESTの高発現に伴い誘導されたヒト歯根膜幹細胞様細胞が、マウス生体内において、骨および歯根膜様組織を形成することが明らかになった。また、MESTの遺伝子導入により誘導されたヒト歯根膜幹細胞様細胞を用いたcDNAマイクロアレイ解析の結果、この歯根膜幹細胞転換には、PITX2やHOXD8といった転写因子、ならびにWntシグナルが関与する可能性が示唆された。 以上の知見から、本研究が今後、より効果的な歯根膜幹細胞転換法の確立、およびこの幹細胞転換法を用いた新たな歯周組織再生法の開発へと繋がることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、幹細胞転換によって得られた歯根膜幹細胞の、生体内における組織再生能が明らかになり、歯根膜幹細胞転換の臨床応用に対する有用性を評価することができた。また本研究では、歯根膜細胞の幹細胞転換メカニズムの一端が明らかとなったことにより、歯根膜幹細胞を用いた歯周組織再生治療法の開発における課題であった、歯根膜幹細胞の大量確保に対し、ブレイクスルーになりうる新たな知見を見出すことができた。 したがって、本研究の成果は、歯根膜幹細胞転換を用いた歯周組織再生治療法の開発を実現へと近づけるものであり、超高齢社会を抱える我が国の口腔保健衛生向上の一助となりうる意義高いものになると考えられる。
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