研究課題/領域番号 |
19K19020
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
枝並 直樹 新潟大学, 医歯学系, 助教 (80804567)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | リバスクラリゼーション / 象牙質 / オステオデンティン / セメント質 / 歯槽骨 / 歯髄細胞 / 歯根膜細胞 / 歯根膜 / 根尖性歯周炎 / 再生歯内療法 / 象牙芽細胞分化 / 成長因子 / 細胞外マトリックス |
研究開始時の研究の概要 |
近年の研究から、失活した根未完成歯に対してパルプ・リバスクラリゼーションを施しても、象牙芽細胞は分化せず、理想的な治癒は得られないことが明らかになってきた。この欠点を克服するためには、同治療法の治癒過程で、どの物質が象牙芽細胞の分化に不足または過剰となっているかを特定する必要がある。本研究では、ラットを用いた治療実験モデルにおいて治癒過程の経時的観察を行い、同治療法で象牙芽細胞が分化不全に至る原因究明を目指す。本研究の成果は、パルプ・リバスクラリゼーションのさらなる発展基盤となることが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究で様々な根尖部組織残存量の歯にリバスクラリゼーションを行い、治癒形態を観察した結果、根尖部組織残存量に応じて、①:象牙質とオステオデンティンの形成を伴うパターン、②:オステオデンティンのみの形成を伴うパターン、③:オステオデンティンとセメント質様硬組織の形成を伴うパターン、④:セメント質様硬組織と骨様硬組織の形成を伴うパターンの4パターンが生じる事が明らかになった。また、①と②のパターンでは歯髄細胞が、③と④のパターンでは歯根膜細胞が根管内軟組織を構築していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果から、根尖部組織残存量が少ない場合には、歯根膜細胞による根管内軟組織の置換が生じることがリバスクラリゼーションで象牙芽細胞が分化しない原因であると言える。一方で、根尖部組織が一定以上残存している場合には歯髄様組織が再構築されるものの、微小環境が整わないことによって象牙芽細胞分化が起こらず、オステオデンティン形成に陥ることが示された。これらの結果はリバスクラリゼーション後に象牙質形成を誘導するための戦略を検討して行く上で重要な所見である。
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