研究課題/領域番号 |
19K19025
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小道 俊吾 大阪大学, 歯学研究科, 招へい教員 (40804456)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 歯髄 / 創傷治癒 / う蝕細菌由来可逆性歯髄炎ラットモデル / う蝕 / 免疫調節 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らはこれまでに、歯髄創傷治癒機転の解明を目指した研究を展開してきた。しかし、実際の臨床で覆髄の適応となるう蝕由来の可逆性炎症歯髄では、健全歯髄とは細胞構成および細胞外環境が大きく異なるため、従来の研究で用いられてきた健全な歯および歯髄を対象とした評価モデルでは十分とは言えない。 そこで本研究では、申請者らが確立したラット覆髄モデルと、う蝕分野で確立されているラットう蝕モデルを組み合わせることで、細菌由来の可逆性歯髄炎動物モデルを確立し、さらに、確立した動物モデルで、近年注目されている幹細胞による免疫調節機能に焦点を当てた可逆性炎症歯髄に特有の創傷治癒メカニズムの解明を目的とする。
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研究成果の概要 |
「う蝕細菌由来可逆性歯髄炎ラットモデルの確立」に焦点をあてた研究をおこなった。 すでにカリオロジーの分野で確立されているラットう蝕モデルを応用し、前処置としての窩洞形成や播種する菌量、飼育期間等を検討することで、歯の特定の部位のみにう蝕病変を作成し、マイクロCTを用いて評価方法をおこなう可逆性歯髄炎を惹起するモデルを確立することに成功した。 確立したう蝕細菌由来可逆性歯髄炎ラットモデルを用いて覆髄実験をおこなった場合、従来の健全歯髄にたいする覆髄モデルと比較して、覆髄直下の歯髄組織におけるPCNA陽性細胞の数が多いことがわかり、可逆性歯髄炎の創傷治癒の一端が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究期間を通じて、歯の特定の部位のみにう蝕病変を作成し、可逆性歯髄炎を惹起するラットモデルを確立することに成功した。 作成したう蝕細菌由来可逆性歯髄炎ラットモデルを用いて直接覆髄実験をおこなった結果、健全象牙質と比較し多量の第三象牙質が形成しており、窩洞直下の歯髄組織におけるPCNA陽性細胞数が増加傾向にあることが判明し、可逆性炎症歯髄特異的な創傷治癒メカニズムの存在が示唆された。 本モデルの確立により、実際の臨床における可逆性炎症歯髄を再現し、炎症歯髄特異的な創傷治癒メカニズムを解明することは、 より安全・効果的な覆髄剤の開発につながると期待される。
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