研究課題/領域番号 |
19K19057
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
行森 茜 昭和大学, 歯学部, 助教 (60813748)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 唾液腺発生 / ダイレクトリプログラミング / 唾液腺 / 線維芽細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、超高齢社会を背景に口腔乾燥を訴える患者が増加傾向にある。口腔乾燥症に対しては主に人工唾液などの対症療法がおこなわれてきたが、根治療法として唾液腺の再生が期待されている。しかし唾液腺発生のメカニズムや再生技術に関しては未だ不明な点も多い。本研究の目的はマウス線維芽細胞から唾液腺細胞を誘導する転写因子を同定し、唾液腺細胞を誘導することである。同定された因子のヒトホモログを応用することにより、iPS 細胞の腫瘍化というリスクを回避した、より安全な唾液腺細胞の誘導が可能となると考える。唾液腺細胞の再生が可能となれば、国民の口腔内環境のみならず全身QOLの維持・増進をもたらすものと期待される。
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研究成果の概要 |
本研究課題の目的はダイレクトリプログラミングを用いてマウス胎児線維芽細胞(MEF)から唾液腺を作出することである。MEFにTP63/TFAP2a/cMYC/GRHL2を導入し気相液相界面培養を行うことで口腔粘膜上皮マーカーであるCK13が発現した重層扁平上皮(MEF由来口腔粘膜上皮様組織)を作出した。またMEFにTP63/TFAP2a/ cMYC/GRHL2/ Sox9/Foxc1を導入することで単層培養でCK18陽性の腺上皮様細胞に分化転換可能であることが示された。MEF由来口腔粘膜上皮様細胞およびMEF由来腺上皮様細胞からの唾液腺分化および成熟方法について今後も検討を継続する予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題によって唾液腺再生技術開発に向けての基盤的なデータを得ることができた。MEFは細胞数の確保が容易であり、ダイレクトリプログラミングは腫瘍化のリスクが低い点から、ダイレクトリプログラミングによるMEFから唾液腺の作出はより安全で有効な唾液腺再生技術となるものと期待される。本研究成果をヒト唾液腺再生、そして口腔乾燥症の根本的治療法へ応用することにより、口腔内環境のみならず全身のQOLの維持・増進をもたらすものと期待される。
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