研究課題/領域番号 |
19K19074
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
木村 基善 東京歯科大学, 歯学部, レジデント (20822422)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 象牙芽細胞 / 古典的Wnt経路 / FGF8 / iPS / FGF / iPS細胞 / 歯の再生 |
研究開始時の研究の概要 |
歯は歯原性上皮と間葉系組織の相互作用によって構成され、帽状期移行する際に歯胚に形成されるエナメル結節が歯の形成の中心的な役割を果たしている。エナメル結節による成長因子の関与はわかっているものの、分化過程における制御メカニズムは詳細には明らかにされていない。歯の再生に関する研究は人工的に歯胚を構成し、顎骨内で歯胚の成長させる方法が期待されるものの、その元となる細胞の獲得が難しい。本研究ではこれまでの知見をもとに、間葉系細胞から象牙芽細胞への効率的な分化方法の検討とともに遺伝子発現解析により分化制御機構を明らかにし、分化したiPS細胞を用いた歯牙再生モデルの構築を目的とする。
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研究成果の概要 |
Cre-loxP systemによって作製したDmp1-Cre-EGFPマウスを用いて間葉系細胞から象牙芽細胞への効率的な分化方法の検討とともに遺伝子発現解析により分化制御機構を明らかにし、iPS細胞を用いた歯牙再生モデルの構築を目的に研究を行った。 歯原性間葉系細胞に古典的Wntシグナル経路を活性化するGSK3β阻害剤とFGF8を添加することで、歯原性の性質維持に成功した。さらに同マウスからiPS細胞を樹立、神経堤細胞へ分化させ、セルソーターで分けた象牙芽細胞分画細胞群を歯原性上皮と組合せ再生歯胚を作製した。再生歯胚を免疫不全マウスの腎被膜下に移植を行い、歯胚の分化・成長の確認を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
iPS細胞は再生医療における重要なソースとして歯科分野においても注目されており、効率的かつ安全性の高い分化誘導法の確立が必須である。本研究では古典的Wntシグナルの活性化とFGF8の相互作用によって歯原性間葉系組織の歯原性の性質維持に成功した。iPS細胞から神経堤細胞への分化技術は確立しており、今後は神経堤細胞から象牙芽細胞へと分化させることが期待できる。本研究の推進により、象牙芽細胞の分化制御機構および機能の一端を明らかにするとともに、ヒトにおける歯の再生の進歩に貢献できる。将来的にはインプラントに変わる、新たな欠損補綴の開発に貢献し国民の健康とQOLの向上に寄与できる重要なデータである。
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