研究課題/領域番号 |
19K19088
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
北見 恩美 新潟大学, 医歯学系, 特任助教 (00834772)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 顎関節 / 老化 / プライマリーシリア / 変形性顎関節症 / 軟骨細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の軟骨機能不全による顎関節症は、重症例として長期の治療を必要とし、生活の質を大きく損なうことから、その病態解明と治療法の開発が急務である。 プライマリーシリア(一次繊毛)は細胞表面に突出する細胞小器官で、細胞外環境を感受するアンテナ様の役割を持つ。 シリアを欠失した下顎頭軟骨は、加齢マウスの下顎頭軟骨の組織像と類似していることを見出している。 そこで本研究では、下顎頭軟骨の加齢変化が、シリア消失による下流シグナルの低下によるものであるとの仮説のもと、下顎頭軟骨細胞のシリアを介したシグナル伝達の制御機序を明らかにする。さらに加齢軟骨細胞におけるシリアの再生を試み、下顎頭軟骨の機能回復を目指す。
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研究成果の概要 |
緩和困難な自発痛や咬合痛を伴う変形性顎関節症の原因の一つに加齢が挙げられるが、軟骨組織の加齢変化のメカニズムは明らかではない。加齢と共に保水性や粘弾性を担う細胞外基質プロテオグリカンが減少することにより、下顎頭軟骨の弾力は劣化することが報告されているが、なぜプロテオグリカンが減少するのかは依然不明である。プライマリーシリアは細胞外環境情報を受容するアンテナ様細胞小器官である。 本研究では、加齢と共に下顎頭軟骨の軟骨成分が減少することと相関しプライマリーシリアの発現が減少することを明らかにした。以上により、軟骨組織の加齢変化にはプライマリーシリアを介した情報伝達が関連している可能性が考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
変形性顎関節症は顎関節の構成組織である下顎頭軟骨の破壊を特徴とし、若年者の顎関節症と比較し高齢者に多くみられる。重症例として長期間の治療を要するケースが多い。加齢と共に関節軟骨の緩衝能が劣化することが報告されているが、加齢による緩衝能劣化のメカニズムは依然として明らかになっていない。 本研究では加齢に伴う顎関節の形態変化と、細胞機能を維持するシグナル受容体であるプライマリーシリアの発現変化を観察した。本研究は顎関節の老化メカニズムの一端を明らかにすることで、変形性顎関節症を予防する新たな戦略の基礎となる研究であると考えられる。
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